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トランプ大統領とバイデン氏の経済政策の違いとは?

出典:Getty Images

2020年11月3日はアメリカ大統領選挙の一般有権者による投票及び開票日です。

この選挙で決まった選挙人が12月14日に行われる投票で大統領を決める間接選挙となっているため、11月3日の選挙こそが大統領を決める選挙になります。

8月には民主党・共和党の全国大会が行われ、大統領候補と副大統領候補の正式指名などがあり、大統領選挙はクライマックスを迎えようとしています。

そこで今回は、共和党のトランプ氏と民主党のバイデン氏の掲げる経済政策について解説します。

大統領になった際の経済への影響や、両者の経済政策の違いなども合わせて解説します。

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バイデン氏の経済政策

8月18日に発表されたアメリカ民主党の政策綱領案を経済政策に絞ってまとめると、下記に重点を置いています。

  • 最低賃金の引き上げ
  • 環境問題改善への出資により雇用を増やす
  • 富裕層への増税による社会保障の充実
  • 金融規制改革法案の強化

バイデン氏は「Build Back Better(より良い復興)」をスローガンに4つの経済政策を打ち出しました。

「バイ・アメリカン」を標榜に、アメリカ国民がアメリカ製品を購入する政策や、環境・インフラに4年間で2兆ドルを投資して2035年までに炭素排出ゼロの発電を目指す政策となっており、新型コロナ感染拡大の影響で失業者が増加しているなか、500万人の新規雇用を創出するとしています。

一方でトランプ大統領が優遇してきた富裕層や企業への増税が必要だと訴えており、法人税率を21%から28%までに引き上げ、個人所得税の最高税率を引き上げるべきだと言及しています。

また、オバマ元大統領が呼びかけ、当時のFRB(米連邦準備理事会)議長が提唱した「ボルカールール」を含む前政権の金融規制改革法を強化し、執行するなどを打ち出しています。

総じてみれば、バイデン氏の経済政策は中間層や人種的マイノリティーを支援する内容や、地球環境に対する意識の高さが特徴的です。

一方でトランプ大統領への票を獲得するのが狙いなのか、「アメリカファースト」を意識した経済政策も盛り込まれており、トランプ大統領は「バイデン氏は私の政策を盗用した」と揶揄しています。

アメリカ大統領選挙を睨んだバイデン氏の経済政策ですが、実現できるのか疑問の声が上がっています。

500万人の新規雇用創出を目指す「バイ・アメリカン」では4,000億ドルを使って米国製品を買い、3,000億ドルを研究開発に投資。

さらにはヘルスケア政策として、10年間で約8兆ドル規模の介護・保育政策を打ち出して、中間層の医療保険負担を減らすとしています。

これだけの雇用支援や低所得者層支援を実行するには巨額の財源が必要になります。

バイデン氏はこれらの財源として、AmazonやAppleなどの大企業への課税強化を実施する考えです。

アメリカの税制経済研究所によると、2018年のAmazonの連邦法人税額はゼロとなっており、他の大企業もさまざまな手段を講じて税逃れを実行しています。

バイデン氏はこれらの企業に対して法人税引き上げ以外にもミニマム税を導入することで、必要な財源を確保する狙いです。

トランプ氏の経済政策

8月24日に発表されたアメリカ共和党の政策綱領案を経済政策に絞ってまとめる下記に重点を置いています。

  • 10ヵ月で1,000万人の雇用創出
  • 雇用を維持する大規模な減税
  • 「メード・イン・アメリカ」の税控除

トランプ大統領の経済政策を一言で表現するなら、「中国を排除してアメリカファーストを貫く」という内容になります。

製造業の中心を中国からアメリカに回帰する方針や、中国から雇用を取り戻した企業への減税を実施すると表明するなど「メード・イン・アメリカ」を促す政策を盛り込んでいます。

すでに、外国籍のIT技術者などがアメリカで就労するのに必要なビザの発給を2020年末まで停止する措置を取っており、約52万分の雇用を確保したと実績をアピールしていることからも、中国や外国籍の労働者を排除するという従来からの方針は変わりません。

新型コロナが蔓延する前のアメリカ経済は「トランプ減税」と呼ばれる大規模な減税によって経済が活性化していました。

しかし、新型コロナによって経済が悪化したことを受け、トランプ大統領は家庭への現金給付や中小企業への資金支援など、合わせて3兆ドル規模の経済対策を実施しており、2期目では10ヵ月で1,000万人の雇用を創出すると述べています

バイデン氏と違って現職であるトランプ大統領は、これまでの経済政策を大きく変えるようなことはできないため、大統領選挙を目前に控えた現時点でアメリカファーストを軸とした経済政策に大きな変化はありません。

二人の経済政策の違いと共通点

トランプ大統領とバイデン氏の経済政策の大きな違いは、トランプ大統領は富裕層や企業に対する減税で経済を活性化させるのに対して、バイデン氏は低所得者や中間層に雇用を作り、最低賃金をアップするなどして経済の底上げを行うとしていることです。

また、トランプ大統領は原油パイプラインの建設計画の推進や化石燃料促進のためにパリ協定から離脱するなどして雇用を創出していますが、バイデン氏は気候変動や温暖化防止対策に力を入れる考えを示しており、環境問題に強いカマラ・ハリス上院議員を副大統領候補に起用したことからも伺えます。

トランプ大統領には政権発足後3年間で700万人分の雇用を創出し、新型コロナ拡大に対応した緊急の経済対策をスピーディに行ったという実績があります。

一方でバイデン氏の提唱する経済政策は巨額な財源を必要としており、大企業や富裕層への増税で確保していることから、経済活動に大きなブレーキがかかるのではないかという懸念の声が上がっています。

トランプ大統領は産業や企業を重視し、バイデン氏は環境と中間層を重視した経済政策を提唱しています。

違いが浮き彫りとなっている一方で、両者の経済政策には共通点もあります。

それはアメリカ人の雇用を守り、中国に対して厳しい対応を取るということです。

トランプ大統領が「アメリカファースト」なのは言うまでもありませんが、バイデン氏もアメリカ製品購入に4年間で7,000億ドルの政府支出を行うと表明し、企業に対してもアメリカ国内に生産拠点を置くように促す方針を強調しています。

これは前回の大統領選でトランプ大統領に票が集まった「ラストベルト(さびついた工業地帯)」の白人労働者の票を狙っていると分析できますが、両者ともに経済・雇用に関してはアメリカファーストが目立っています。

まとめ

以上がトランプ大統領とバイデン氏の経済政策の違いになります。

バイデン氏が大統領になった場合、環境とヘルスケア、介護を中心に保育や教育などへの出資が多くなると予想されます。

一方でトランプ大統領が再選すれば、これまで通りに製造や観光、エネルギー、航空などに力を入れると予想されます。

それぞれ、大統領になったときに力を入れる分野が違うため、どちらが大統領になるのか注目が集まっています。

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