米国ヘルスケア銘柄比較:アッヴィとジョンソン&ジョンソンはどちらがおすすめか?

モトリーフール米国本社、2019年1月20日投稿記事より
アッヴィ(ティッカー:ABBV)とジョンソン&ジョンソン(ティッカー:JNJ)は、市場で最も人気のあるがん治療薬の1つであるImbruvicaにおいて提携しています。
しかし両社は、他のいくつかの分野では競争相手となっています。
どちらの株も、堅実な配当を求める投資家に人気があります。
アッヴィはジョンソン&ジョンソンよりも多くの配当を実施しており、過去5年間でジョンソン&ジョンソンの約2倍の配当を提供しています。
さて、この2つの株のうちどちらが買いといえるのでしょうか。
アッヴィについて
まず、アッヴィの非常に魅力的な配当から見ていきます。
1月20日時点の同社の配当利回りは4.85%です。
同社は2013年に親会社のアボット・ラボラトリーズからスピンオフして以来、配当の支払いを168%増やしました。
アッヴィがそのような多額の配当を提供できるのはなぜなのでしょうか。
同社は、世界で最も売れている抗リウマチ薬、Humira(ヒュミラ)を販売しています。
そして、米国で大ヒットしているがん治療薬であるImbruvicaをジョンソン&ジョンソンと共同販売しています。
また、アッヴィは、MavyretとともにC型肝炎市場のリーダーでもあります。
アッヴィは、現在のラインナップの他にいくつかの新薬を開発しています。
Venclextaはすでに慢性リンパ性白血病(CLL)および急性骨髄性白血病(AML)の治療において米国食品医薬品局(FDA)の承認手続きを受けています。
Orilissaは子宮内膜症に伴う疼痛の管理薬として承認されています。
アッヴィの薬剤の開発品を見ると、この株がさらに魅力的に見えてきます。
免疫学薬のrisankizumabとupadacitinibは特に際立っています。
これらの薬はそれぞれ乾癬と関節リウマチの治療薬として米国食品医薬品局の承認を待っています。
同社は、risankizumabとupadacitinibを合わせて、年間売上高が100億ドルを超えると予想しています。
現在の強力なラインナップと、有望な薬剤の開発品により、アッヴィは今後数年間で2桁の利益成長を遂げるはずです。
しかし、その株価は比較的安く、予想利益の10倍以下で取引されています。(記事公開時点)
この評価は、主に同社がHumiraに依存していることに対する投資家の懸念によるものです。
この薬は、すでにヨーロッパにおいてバイオ医薬品の後続品との競争に直面しており、2023年には米国の市場でもバイオ医薬品の後続品の参入が見込まれます。
しかし、アッヴィはHumiraに対する脅威について心配していません。
同社は、他の医薬品や有望な開発品の候補により、今後10年以内に成長モードを維持すると考えています。
ジョンソン&ジョンソンについて
ジョンソン&ジョンソンの配当利回り2.81%もまた非常に魅力的です。
加えて、同社は56年間連続してその配当を増やしており、その流れを継続する可能性が高いといえます。
同社を説明するには「ヘルスケア大手」と呼ぶのが、もっともしっくりきます。
同社はヘルスケア株式の中で、最大の時価総額を誇ります。
ジョンソン&ジョンソンは単なる巨大な製薬会社ではありません。
それはまた、大手消費者向けヘルスケア企業であり、世界最大の医療機器メーカーの1つです。
この幅広いビジネスポートフォリオは、同社に大きな競争上の優位性をもたらします。
たとえば、さまざまな事業の製品やサービスを組み合わせることで新規顧客を獲得する一方、既存顧客を維持することができます。
ジョンソン&ジョンソンの主な成長要因は製薬部門です。
その最も売れ行きの良い薬Remicadeの売上は、バイオ医薬品の後続品との競合のために減少していますが、同社の他のいくつかの製品、特に多発性骨髄腫薬のDarzalexとImbruvicaは引き続き力強い成長を続けています。
同社の消費者セグメントもまた堅調な成長に戻っているようです。
アレックス・ゴースキーCEOは10月に、同社の消費者向けヘルスケア事業が「加速する勢い」を見せていると述べました。
ジョンソン&ジョンソンは、その市販薬、美容製品、およびベビーケア製品について、消費者から根強い人気を誇っています。
ジョンソン&ジョンソンは、目覚しいほど高い成長を遂げていないかもしれません。
しかし、長期的には、投資家に堅実なトータルリターンを提供し続けることができる企業です。
同社はまた、将来の成長を促進するための戦略的買収を行うために、強力なキャッシュフローを利用したいと考えている、と述べています。
まとめ
アッヴィ、ジョンソン&ジョンソン、いずれも安定した成長かつ高配当で投資家からは人気のある米国株式です。
この機会に大手製薬会社をポートフォリオに加えてみてはいかがでしょう。
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