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この先増えそうなコーポレートアクション「MBO」について

何らかの理由で経済的なショックが発生すると、マーケットでの反応は速いのですが、実体経済へのインパクトが明らかになるのはそれなりの時間が経過してからになることが多いです。

例えば、リーマンショックの引き金になったのは、アメリカの投資銀行であったリーマンブラザーズがchapter11(連邦倒産法第11章)を申請した2008年9月15日ですが、そのインパクトが日本でわかりやすく表面化したのは、翌年2009年3月期の業績が想像以上に悪化したことが明らかになったころでした。

リーマンブラザーズがchapter11を申請してから半年程度が経過したころです。

マーケットは予想で動くことが多いですから、実体経済の悪化を織り込むのが速いわけです。

さて、2月下旬からCOVID-19に振り回されているマーケットが、早いもので約半年続いています。

気づけば、第2波とも呼ばれる感染拡大が連日報道されるようになり、実体経済の不透明感が長引きそうな気配を見せています。

そろそろ、具体的なネガティブインパクトが明らかになってくる頃だと考えています。

ステークホルダーが誰になるかはコトによって異なると思いますが、現時点で筆者がマーケットに関連するものとして想定しているのは以下の3点です。

  1. 減配
  2. リストラ
  3. 非上場化

1と2については、すでに目にする機会が増えているでしょう。

経済的なショックを受けると、企業はゴーイングコンサーンのために内部留保を厚くしようとします。

そのためには、出ていくお金や費用を減らそうとします。

結果、株主に払う配当や従業員へ払う給与、ボーナスの減額、人員削減といった施策を打ち出すのはそれほど珍しいことではありません。

この辺りは、自身が置かれているマーケット環境や労働環境によってはすでに覚悟ができている方もいらっしゃることでしょう。

一方、1と2に比べて3はなじみが薄いかもしれません。以下のこの記事では3にフォーカスします。

M&A(企業の合併&買収)の情報提供を行っている“M&A Online”によれば、今年に入ってから経営陣による買収、MBO(Management Buy Out)による非上場化が増加傾向にあるそうです。

公開企業にさせた会社を経営陣が再び非公開化する理由の多くは、「抜本的・機動的な意思決定を可能にする経営体制の構築」です。

非公開化すれば機関投資家など株主の要求や株価動向など市場の声に惑わされることなく、中長期的な戦略や方針に基づき、迅速な経営判断が行えるようになるということのようです(M&A Onlineより)。

理由が何であれ、会社の業績が低迷すれば株主は「気分が悪く」なりがちです。

COVID-19による予想もできなかった経済的ショックが原因だったとしても、キャピタルゲインやインカムゲインが減れば、株主としては気分がよくありません。

公開企業のMBOを実施する場合、株主の取引機会をMBO成立後は奪うことになるため、多くの場合は「プレミアム」がつきます。

そのプレミアムの算出の仕方は様々ですが、20%以上のプレミアムが付くことも珍しくありません。

仮に何らかの理由で株価が低迷していた場合、プレミアムを付けてMBOを実施するのは資金にさえめどがつけばそう難しくなく、実際リーマンショック後しばしはその件数が多かったのです。

その例に倣えば、COVID-19による経済的ショックに端を発するMBOがこれから増えるのではないかと筆者は考えています。

出所:M&A Online

では、どんな企業ならMBOを実施しやすいのかを筆者の視点で挙げてみます。

  • 浮動株が少ない

MBOは株主から株式を買い集める行為ですから、流通する株式が少なければ少ないほど資金面でも手続き面でもやりやすくなるでしょう。

  • 業績はさえなくても現預金をたくさん持っていて、負債が少ない

MBOを実施するためにはお金が必要です。

金利が低い現在なら、借り入れも資金調達の一つの方法として考慮すると思いますが、自前の資金がどれぐらいあるかも重要です。

お金を借りずにMBOできるなら、意思決定は速くなることでしょう。

  • 株主の数が比較的少ない

株式を買い集める行為は、その対象が少なければ少ないほど楽です。

その対象は株式数だけではなく、株主の数についても同じ性格を持つと考えます。

10万人の株主から株式を買い集めるのと5,000人の株主から買い集めるのでは、そのハードルの高さが違うであろうことは容易に想像できるのではないでしょうか?

  • 株価が長期間にわたりIPO価格より低迷している

成長を前提にIPOを実施したにもかかわらず、株価が長期間低迷しているのであれば、そもそも「上場し続ける意味がない」と経営者が考えるのは自然です。

いったん非公開化して再上場という道もあるわけですから、前述した「株主の不満因子」をいったん排除して経営を立て直すために、非公開化の道を選択することは大いにあり得ます。

  • どちらかと言えば小型株

時価総額が小さい銘柄の方が、株を買い集めやすいです。

さしあたり5つの視点を挙げてみました。

これらの要件をすべて満たす銘柄は新興市場に多いだろうと思います。

銘柄選択の眼を養ったり、いろんな銘柄を知るという意味でもなかなか面白いプロセスだと思いますので、興味を持った方はぜひ試してみてください。

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