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株の投資戦略「ナンピン」とは?メリット・デメリット・注意点を考察

出典:Getty Images

投資の手法の一つに「ナンピン買い」というものがあります。

一つの投資戦略としてあまりに有名である一方で、「悪手」という声も少なからず聞きます。

「下手のナンピン、素寒貧(すかんぴん)」

ということわざがあるくらいですから、かなりのものですね。

今回は、そんなナンピン買いについて、どのような手法なのかといったことから、メリットやデメリット、ナンピン買いを行う場合の注意点を解説していきます。

「必ずしも」悪手とはいえないナンピン買いではありますが、それが悪手と言われるゆえんについても言及しています。

株式投資全般に応用できる考え方でもありますので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

ナンピン買いとは?

ナンピン買いとは、現在含み損が出ている銘柄をさらに買い増す投資行動です。

ナンピン買いを行うことによってその株の取得平均単価が下がります。

たとえば、

  1. 購入時の株価=1000円
  2. 現在の株価=700円

というケースを想定します。

評価損益は-30%。100株持っていたとすると、3万円の含み損ですね。

これを、今新たに100株買い増すと、どうなるでしょうか?

1000円と700円で同じ株数ずつ買ったので、取得平均単価はその中間の850円になります。

850円で200株を購入したのと同じ状態になりますね。

すると、含み損の金額は変わりませんが、評価損益は-15%になりました。

このように、損失を平準化できるのが、ナンピン買いです。

損失(難、ナン)を”平”準化(平、ピン)することから、ナンピン買いと呼ばれています。

ナンピン買いのメリット

ナンピン買いのメリットは、保有する株数を増やしながら取得平均価格を下げられることです。

取得平均単価が下がることで、当然損益分岐点も下げることができます。

上の例でいうと、1000円で100株所有していた場合、1000円以上で売却しなければ利益は生めません(手数料を考慮しなかった場合)。

しかし、700円で100株「ナンピン買い」していれば、850円以上で売却すれば利益を出すことができます。

ナンピン買いが最も効果を発揮するのは、成長株に長期投資を行った場合です。

株の利益計算は、

売却益=(売却時の値段–取得平均単価)×株数–手数料

で計算できます。

長期で成長する株でも、その過程で株価が大きく下落することもありえます。

その中で、下がっているタイミングで上手くナンピン買いをすることによって、最終的に得られる利益を増やすことが可能になります。

ナンピン買いのタイミングというのは良い買い場ということですね。

ナンピン買いのデメリット

逆に、ナンピン買いのデメリットを挙げてみましょう。

ナンピン買いという行為そのものが損失を減らしてくれるわけではないことは大前提として押さえておきましょう。

上の例で、700円で買い増すことによって、取得平均単価は下げられましたが、損失の額は3万円のままでした。

そのまま株価が上昇すればよいのですが、たとえば500円まで下がった場合。

何もしなければ損失は5万円でしたが、ナンピン買いを行った場合、損失は7万円に膨らみます。

ナンピン買いは長期的にであれ上昇していく株への投資としては有効ですが、下落していく株に行うのは、当然悪手です。

損失を平準化しながらその額を増やしているだけの行為になります。

最も気を付けなければならない点があります。

一般的な投資家心理として、自分が持っている株は「上がる!」と思い込む傾向にあることです。

本当に上がるのであればナンピン買い買いすればいいのですが、そこには損失を抱え冷静に判断ができなくなっている投資家の「願望」が大いに反映されている可能性があります。

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ナンピン買いして取得単価を下げる行為は、その株が上がるという仮定に基づけば有効な判断ですが、その仮定の妥当性については冷静に判断する必要があります。

くれぐれも、ナンピン買いを自分の現在含み損となっている投資行動を正当化する手段として使わないようには注意してください。

ナンピン買いを行う時の注意点

メリットもデメリットも存在するナンピン買いですが、上手く決まれば有効な戦術であることは間違いありません。

では、ナンピン買いを成功させるためにはどのような点に注意すればよいのでしょうか?具体的に挙げてみます。

その株は本当に長期的に値上がりするのか

まず、繰り返しになりますが一番重要なのは、その株が本当に長期的に値上がりするかです。

本当に値上がりするのであればナンピン買いは有効ですが、それが投資家の願望であれば、まったく意味はありません。

ナンピン買いするのであれば、その対象の銘柄が長期的に値上がりすると思う理由を、人に説明できるレベルにまで落とし込みましょう。

できないのであれば、すべきアクションはナンピン買いではなく、損切りかもしれません。

その株は今が底値圏なのか

次に、ナンピン買いするタイミングです。最も効果を発揮するのは、底値圏でのナンピン買いができた時です。

逆に、買い増したタイミングが底値圏ではなく、まだ下落するならば、含み損はさらに大きくなってしまいます。

また、その後上昇して利益確定できたとしても、底値で買えなかった分だけの機会損失が発生します。

もちろん、本当に底値だったかどうかは後になってみないとわからないものです。

しかし、ただ闇雲に買い増しを考えるのではなく、底値圏を狙うという姿勢は忘れないようにしてください。

ナンピン買いするときは平均取得単価を把握しよう

最初に挙げた例では、理解のしやすさを重視し、「100株ずつ」という分かりやすい数字を設定しました。

実際の相場の中で行うナンピン買いは「いくらで」といった視点の他、「どのくらい」買うのかという判断も必要になってきます。

その際に基準とすべきは、「全体として平均取得単価がいくらになるのか」ということです。

「いくらで、どのくらい買ったら、取得平均単価はいくらになる」

というのを念頭に置きながら判断することが大切です。

まとめ

悪手とも名高いナンピン買いですが、適切な銘柄に対して、適切なタイミングで行えれば、実は有効な投資手法であることもおわかりいただけたと思います。

問題となるのは、その銘柄とタイミングの見極め。しっかりと客観的な分析を行いながら長期的に伸びる銘柄なのか、今が底値圏なのかといった見極めを行いましょう。

買い増しの価格や量を考える際は取得平均単価を意識することも大切です。

くれぐれも、「損切ができない」「自分の判断が間違っていたと認めたくない」ためのナンピン買いは禁物です。

ことわざ通り、スカンピンの近道となってしまいます。