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8月の円高アノマリーについて

2020年8月はコロナウイルスの感染拡大、秋に向けての米国大統領選挙、米中関係悪化などの先行きの不透明さが増しています。

このようなときにこそ、アノマリーを振り返ることで投資運用の方向性の参考になるのではないでしょうか。

特に8月は日本株にとっては良くないことが揃うことから「魔の8月」とも呼ばれることがあります。

アノマリー(Anomaly)とは

理論的に説明できないものの、経験的に観測することが可能なマーケットの規則性のことです。

Anomalyは「変異性」とも訳されることが多く、説明しきれないが通常とは変わっている事象とも言えます。

代表的なアノマリーとして、他に米国株は1月に上昇しやすい「1月効果」、日本株は4月に上昇しやすい「4月効果」、株は5月に売れといわれる「セル・イン・メイ」、月初の1日が休日で2日から始まる月は荒れやすい「2日新甫は荒れる」などのアノマリーがあります。

アノマリーとは?アノマリーを利用した株式投資について説明

8月は円高になる

今年は11月に米国大統領を控えていますが、足元では円高ドル安基調が続いています。

前回、大統領選挙があった2016年も8月から9月にかけて一気に円高が進み、一時は1ドル100円を割る場面も見られました。

過去の8月では2010年以降では6回、2015年以降では4回が円高となっていますが、必ずしも8月が円高というわけではありません。

需給の側面で見た場合では、8月は米国債の償還によるドル売り・円買いが発生しやすく、国内では輸出企業のドル売り予約の増加など円高の傾向があります。

下図は過去10年間のドル円チャート(月足)になります。

赤い点は8月の位置を表しています。

【過去10年間のドル円チャート(月足)】

出典:tradingviewより筆者が編集

8月は特にチャートの谷に位置していることが多いのが見受けられます。

また、8月が天井に位置していることはほとんどなく、2016年8月のみが天井付近に位置しているだけで、他はほとんど円高調整局面あるいはその年の円高ピークであることが多いようです。

8月は日経平均の下落率が大きくなる

8月は一年を通じて最も株価が下がりやすいというアノマリーがあります。

長期休暇に入りする外国人投資家やお盆休みに入る国内投資家が増え、市場参加者が極端に少なくなります。

このため、市場には流動性がなくなり、一日の出来高が少ない「薄商い」の日が続きます。

このように夏場に市場参加者が少なくなり、薄商いが続くことを「夏枯れ相場」と呼ばれています。

夏は株の取引が少なくなる?投資のアノマリー「夏枯れ相場」とは

大型株の機関投資家による商いが薄まる一方で、個人投資家はこの時期、値動きのある中小型株を物色する傾向が強まります。

今年8月に入ってコロナウイルスの感染拡大とお盆休みムードに入るのも相まって、目先で株価のプラス材料となるものは少ない状態です。

下図は過去10年の日経平均の月足チャートになります。

赤点は8月を表しています。

【過去10年間の日経平均チャート(月足)】

出典:tradingviewより筆者が編集

上述の「8月の円高」に似たようなチャートの形をしており、8月がチャートの谷に入っていることが多くなっています。

また、同様に8月に日経平均の天井になっていることは少ないことも分かります。

2020年8月ではコロナショックが起こったものの、思ったよりは悪くないと思っている楽観的な投資家は多いのではでしょうか。

そのようなときこそ、下落したときの底なしの怖さを思い知ることにもなりそうな展開にもなり得るのかもしれません。

8月は海外勢が日本株を売り越す

梅雨が過ぎ、夏本番となる8月には「8月株安」とも呼ばれます。

8月は2018年までは9年連続で海外投資家が現物株で売り越しています。

日本企業では4月~6月期の決算が終わり、海外投資機関が夏休み前にポジション調整することが影響していると考えられます。

出典:日経新聞

8月6日に発表があった対外対内証券売買契約などの状況によれば、海外投資家は今回7月26日~8月1日までで日本株を2週ぶりに売り越し、売り越し額は5,786億円と3月第4週以来の大きさでした。

これは現在の円高ドル安基調という面や、日本国内での新型コロナウイルスの感染拡大を受けての影響とも考えられます。

また、中長期債及び短期債でも海外投資家による売り越しは観測され、中長期債では4週ぶり1,400億円の売り越し、短期債では11週ぶり1兆1,300億円の売り越しとなっています。

8月についてのアノマリーはたくさんあり、それだけ8月にまつわる警戒心の表れとも言えます。

アノマリーは直接、ポートフォリオに影響を与えるものではありません。

しかし、理解に苦しむ市場の動きを経験したとき、アノマリーは自らを落ち着かせくれる知識となり得ます。

これから夏本番から秋の米国大統領選挙と相場は波乱を迎えるかもしれません。

そんなときにアノマリーを知っているのと知っていないとでは、心理把握も相当違ってきます。

科学的な相場の分析も大事ですが、ときには科学では説明の付かないアノマリーを振り返ってみてはいかがでしょうか。

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