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【米国株決算】ギリアド・サイエンシズの最新決算情報と今後の株価の推移

ギリアド・サイエンシズ(NASDAQ:GILD)はアメリカに本社をおく、治療薬の発見、開発と商品化を行う世界第2位のバイオ製薬会社です。

特にHIVやB型肝炎、C型肝炎、インフルエンザといった感染症治療のための抗ウイルス剤開発を事業の中心としています。

同社の製品としては、抗HIV薬の「Atripla」や「Truvada」、抗インフルエンザ薬「Tamiful」、C型肝炎治療薬の「Sovaldi」などが挙げられます。

本記事ではギリアド・サイエンシズの最新決算である2020年第2四半期決算の概要と今後の株価の推移について見ていきます。

決算発表前におけるギリアド・サイエンシズの株価等のデータ

ギリアド・サイエンシズは2020年第2四半期決算を7/30の引け後に発表しましたので、まず発表直前である7/30における同社株価の値動きについて見ていきます。

7/30における同社株価の始値は72.56ドルであり、日中も特に特に大きな動きは見られなかったため、終値は72.33ドルとなっています。

続いて同社株価の今までの推移について見ていきます。

2015年ごろに最高値である120ドル前後を記録して以降、同社株価は下落し、直近一年間は60ドル台で推移していました。

しかしながら、新型コロナウイルスの治療を可能にする薬の発見・新薬開発に対する期待感などから2020年に入ってから同社の株価は上昇傾向にありました。

5月以降はその上昇も一服し、70ドル台での横ばいの推移をしており、7月下旬からは軟調な推移をしていました。

ギリアド・サイエンシズはS&P500の構成銘柄の一つであり、8/4時点での時価総額は890億ドルとなっています。

また同銘柄の魅力に配当利回りの高さが挙げられますので、同社の株式配当実績についても見ていきます。

r日付は権利落ち日を記しています。

  • 2020/09/14…配当:0.68ドル(配当利回り:3.91%)
  • 2020/06/11…配当:0.68ドル(配当利回り:3.73%)
  • 2020/03/12…配当:0.68ドル(配当利回り:3.27%)
  • 2019/12/12…配当:0.63ドル(配当利回り:3.80%)
  • 2019/09/12…配当:0.63ドル(配当利回り:3.78%)

直近数回の配当利回りは3~4%ほどとなっており、有名な高配当銘柄に準ずる、高水準な配当利回りが実現されています。

配当を開始したのが2015年ということもあり、連続増配年数などはまだ少ないほか、配当開始から数年間は増配率が高くなる傾向があり、今後も増配を続けていけるのかどうか不明な点は多いです。

しかし、同銘柄の配当性向は50%未満であり、今後の同社業績の推移次第では増配が続いていくことも十分期待できると言えるのではないでしょうか。

ギリアド・サイエンシズの最新決算情報について

概要

ギリアド・サイエンシズの発表した2020年第2四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 総売上高…51.43億ドル(前年同期比10%減)
  • 営業損益…△29.83億ドル(前年同期比54.13億ドル減)
  • 純損益…△33.39億ドル(前年同期比52.19億ドル減)
  • 希薄化後EPS…△2.66ドル(前年同期比4.13ドル減)

総売上高は前年同期から10%減少した51.43億ドルであり、純損益は52.19億ドル減少し、33.39億ドルの赤字となっています。

総売上高が前年同期から10%ほどしか減少していないのにも関わらず、純損益が大幅に減少し赤字に転落した要因としては、買収関連で45億ドルもの費用を計上したことが挙げられると言えるでしょう。

アナリストらによる同社業績の事前予想では、売上高が52.9億ドル、non-GAAPベースの希薄化後EPSは1.44ドルとなっていました。

実際の業績は売上高が51.4億ドル、non-GAAPベースの希薄化後EPSが1.11ドルとなっていましたので、事前予想を下回る決算になっていることが分かります。

同社が決算のプレスリリースにて発表したコメントは以下の通りです。

ギリアド・サイエンシズの上半期の業績は、新型コロナウイルス感染症パンデミックの予想される影響を乗り切ったほか、当社のコア事業であるHIV事業の強さと耐久性を実証しています。

この影響からの回復の兆しはすでに見え始めており、当社の長期的なHIV事業のリーダーシップには十分な自信を持っています。

詳細

続いて同社決算をより詳細に見ていきます。

まず同社の主要プロダクト別の売上高について見ていきます。

主要プロダクト別の売上高の概要は以下の通りです。

【2020年上半期】

  • HIV…81.34億ドル(前年同期比6%増)
  • HCV…17.77億ドル(前年同期比28%減)
  • Yescarta…2.96億ドル(前年同期比37%増)
  • Ranexa and Letairis…1.72億ドル(前年同期比70%減)
  • その他製品…7.55億ドル(前年同期比4%増)
  • 製品売上高…105.34億ドル(前年同期比3%減)

【2020年第2四半期】

  • HIV…40.00億ドル(前年同期比3%減)
  • HCV…4.48億ドル(前年同期比39%減)
  • Yescarta…1.56億ドル(前年同期比11%増)
  • Ranexa and Letairis…0.81億ドル(前年同期比11%減)
  • その他製品…3.82億ドル(前年同期比2%増)
  • 製品売上高…50.67億ドル(前年同期比7%減)

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)(エイズウイルス)関連製品の2020年上半期における売上高は前年同期から6%増加し、81.34億ドルとなっています。

一方で2020年第2四半期における売上高は3%減少の40.00億ドルとなっていました。

2020年上半期の増加は、主に米国における「Biktarvy」のシェアと同社の治療薬全体のシェアの増加によって示される、HIVフランチャイズの基礎的な強さによるものであるとしています。

続いてHCV(C型肝炎ウイルス)関連製品の2020年上半期における売上高は、前年同期から28%減少した17.77億ドルであり、第2四半期においては39%減少の4.48億ドルとなっています。

減少の主な要因としては、新型コロナウイルス感染症の影響によるHCP訪問及びスクリーニングの減少により、米国および欧州での患者数が減少し、販売量が減少したことや平均販売価格の低下などが挙げられるとしています。

続いて遺伝子治療製品であるYescarta(axicabtagene ciloleucel)についてですが、2020年上半期においては前年同期比37%増の売上高を記録し、第2四半期においても11%増の売上高を記録しています。

この上昇は主に欧州における継続的な上昇によって牽引されたとしています。

また地域別の製品売上高について見ていきます。

同社製品の地域別売上高の概要は以下の通りです。

【2020年第2四半期】

  • U.S.…37.70億ドル(前年同期比5%減)
  • ヨーロッパ…7.24億ドル(前年同期比22%減)
  • その他の国々…5.73億ドル(前年同期比4%増)

地域別でみると特にヨーロッパ地域における減少率が大きくなっています。

また同社の主力地域であるアメリカの売上高は、前年同期から5%の減少にとどまっていました。

アメリカにおける売上高の減少の要因としては、2019年上半期のジェネリック参入後のLetairisおよびRanexaの売上高の減少や、新型コロナウイルス感染症によるHCP訪問やスクリーニングの減少などが挙げられます。

欧州における売上高の減少は、患者数の減少に牽引されたHCV製品の販売量の減少によるものであるとしています。

新型コロナウイルス感染症の影響により患者数が減少し、同社の売上高を圧迫していることが分かります。

最後に同社が発表した2020年の通年業績見通しによると、製品売上高の見通しは今年の2月に発表していた218~222億ドルから引き上げ、230~250億ドルへと上方修正しています。

それに伴い営業利益やEPSなども上方修正しました。

決算発表後におけるギリアド・サイエンシズの株価の推移

ギリアド・サイエンシズは7/30の引け後に決算を発表していましたので、決算発表翌日である7/31における同社株価の値動きについて見ていきます。

前日終値の72.33ドルに対して7/31の始値は69.70ドルと4%ほど下落していました。

その後も日中を通して軟調な推移が続き、終値は69.54ドルとなっています。

同社株価が大きく下落した要因としては、アナリストらの事前予想を下回る決算を発表したことなどが挙げられるでしょう。

続いて同社株価の今後の推移について考察していきます。

同社は「Remdesivir(レムデシビル)」と呼ばれる新型コロナウイルス感染症治療薬を開発しており、患者の入院期間が短縮したり、死亡率が低下したりするなどの研究効果が出ている一方で、その有効性を否定する治験結果も出ており、未だに正式に承認はされていません。

このレムデシビルが新型コロナウイルス感染症治療薬としての力を持つことが示されれば、未だにパンデミックの収束の兆しが見えない現在の社会に対して、希望の光をもたらすことができるでしょう。

新型コロナウイルス感染症の影響がマイナス方向に働いている同社にとって、このレムデシビルが同社業績及び株価を上昇させるのかそうでないのかを分けると言えるのではないでしょうか。

もし治療薬として普及させることができなければ、同社株価は新型コロナウイルス感染症の負の影響により、軟調な推移をしていくことが予想されます。

参考元:

GILEAD SCIENCES ANNOUNCES SECOND QUARTER AND FIRST HALF 2020 FINANCIAL RESULTS

GILEAD SCIENCES ― H1 & Q2 2020 Earnings Results ― Presentation Slides

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