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【米国株動向】優良銘柄アップルとAT&Tの比較

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、202083日投稿記事より

AT&T(NYSE:T)とアップル(NASDAQ:AAPL)は、表面上は非常に異なった企業のように見えます。

しかし、両社ともケーブルテレビ解約のトレンドに乗じて、動画配信サービス競争に参戦しています。これは単に増収だけを狙った動きではありません。

両社とも、動画配信をより大きなエコシステムの1構成要素として見ています。

つまり、相互に補完し合う一連の不可欠なサービスを提供することで、顧客を惹きつけ、囲い込むことを目標としています。

以下、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的流行)の深刻な影響を踏まえながら、両社の戦略がどの程度成功しているのか、分析してみたいと思います。

AT&Tの苦戦

AT&Tはパンデミックで大きな打撃を受けています。

同社は電気通信業を補完するメディア帝国の構築を決意し、ディレクTVとタイム・ワーナー(現在はワーナーメディアに名称変更)を高額で買収しました。

その結果発生した借入負担(第2四半期末時点の残高は1,520億ドル)を投資家は懸念するようになりました。

さらに悪いことに、消費者のケーブルテレビ解約が進み、ディレクTVは契約者を失い続けています。そしてパンデミックが発生したのです。

第1四半期にはパンデミックで映画館が閉鎖され、スポーツイベントがキャンセルされたことで映画館やテレビ放送の広告収入が減少したため、同社のワーナーメディア部門は前年同期比で10億ドルの減収となりました。第2四半期はさらに悪化し、前年同期比で20億ドルの減収となりました。

その結果、同社は経費削減に踏み切りました。

パンデミックで閉鎖された一部の店舗は再開されない予定です。人員削減が行われ、業務の効率化など他のコスト削減策も検討されています。

同社にとっての明るい材料は中核となる電気通信事業で、安定した収益をもたらしてくれます。

第2四半期の営業キャッシュフローは120億ドル、フリーキャッシュフローは76億ドルで、パンデミックの影響が出始めた第1四半期(それぞれ89億ドルと39億ドル)から増加しており、これが借入の返済と、利回り7%(執筆時点)の高配当の原資になっています。

アップルの事業の強靭さ

ポートフォリオ構成銘柄として最も信頼できる株の1つがアップルです。

同社の強みは、象徴的なコンピューターやiPhoneだけではなく、クラウドサービスのiCloudなどのハードウェアを補完するデジタルサービスにより、エコシステムを構築していることです。

同社のサービス部門の売上は、パンデミックが始まっていた第2四半期(1-3月期)に過去最高の133億ドル、第3四半期(4-6月期)もパンデミックの最中であったにもかかわらず132億ドルを記録しました。

同社の戦略は奏功しており、多くの企業がパンデミックによる経済的影響で動揺するなか、同社の第3四半期の売上は前年同期比で11%増加しました。

主要製品ラインおよびサービスのすべてで売上が増加し、稼働デバイス数で過去最高を記録しています。

同社は常に多額のキャッシュを生み出しており、財務状態は極めて健全です。

パンデミックで販売店が閉鎖されていたものの、第3四半期末時点で334億ドルの現金および同等物を保有していました。

厳しい環境でも好業績であったことから、1対4の株式分割を発表しました。

配当も行っており、配当性向が25.8%と低いことから、配当を維持するのは容易です。4月には6%の増配を決定しています。

まとめ

世界中がパンデミックに苦しむなか、環境悪化に対する強靭さを発揮し、素晴らしい決算内容だったアップルの方が投資対象としては優れているようです。

パンデミックが終わり経済が回復すれば、AT&Tの状況も改善し、同社の株も魅力を増すでしょう。

回復するまでに数カ月から数年かかる可能性があるのが難点ですが、忍耐強い投資家なら、その間に高額の配当を受け取ることができます。

アップルは、ハードウェアの力強い売上や、サービスのエコシステム、そして一貫して強固な財務内容により、投資ポートフォリオに長期にわたる安定をもたらしてくれます。

ただ、配当利回りが0.86%と低いため(執筆時点)、インカム投資としてはAT&Tの方が優れています。

しかし、新製品が発売されるときには店の前に行列を作るような顧客の忠誠心、印象的なハードウェアの販売に伴いさらに強化されるサービスエコシステム、そしてその素晴らしい財務内容により、この2社ではアップルの方が投資先として安全と考えられます。

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Robert Izquierdoは、アップル株、AT&T株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アップル株を保有し、推奨しています。

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