The Motley Fool

投資における「降伏」という知性の買収とは?

3月のコロナショック(と命名されるであろう)から四半期が経ちました。

世界経済の状況悪化やコロナウイルスの感染拡大が治まらない中、株価指数に関してはコロナショック前の水準まで回復しています。

そして現在の懐疑と楽観が入り乱れる相場で、投資手法を以下のように変更している人が「散見」します。

  1. 投資銘柄が分散された、バンガードS&P500インデックスファンド(VOO)
  2. 特定セクターに集中している、インベスコQQQ信託シリーズ1(QQQ)
  3. GAFAMなどの個別銘柄

投資手法のアプローチにあたっては、目標とする利回りに対して運用(保有)時間、銘柄毎の期待値、様々な観点があります。

人によっては1度決めた手法から変更しない人もいれば、情勢や環境の変化に応じて最適化を目指す人もいます。

しかし、現在市場で散見される投資手法の変更が3月の急落タイミングではなく、相場が急回復してきた「今」だということに、人間の行動心理に趣を置く筆者としては歴史の繰り返しを感じます。

オークツリー・キャピタル・マネジメントの共同創業者である ハワード・マークス氏は著書「投資で一番大切な20の教え」にて、相場が高騰している局面で投資家達が現在注目されている投資手法に乗り換えていく現象を「降伏」と呼んでいます。

ハワード・マークス氏いわく降伏という現象は、概ね市場サイクルの「最期の方」に表れるそうです。(今がサイクルの最期の方かは別です)

投資手法の最適化は個人・世帯の戦略によって異なりますが、個人投資家は誰もが「これだ!」「これかも…」「こうかな?」と考え、信じて投資を継続していきます。

しかし、3月のコロナショックから今日までに株価が急騰し、自分が保有していない銘柄がさらに急騰し、他人がその急騰による利益を得ている状況を目の当たりにしてきました。

そして自分の投資手法に疑問を抱き、焦りを感じ、自信喪失気味な時に「自分が保有していない銘柄で他人が利益を得ている」という心理的な圧力が抗しがたいほどに高まると、ついには降伏し、多数派の仲間に入ってしまうのです。

これがハワード・マークス氏が提唱する降伏のプロセスになります。

それにしてもこの「降伏」というのは不思議な現象です。

投資家が降伏した状況下での株式相場というのは概ね割高であり、商売の基本である「安く買って高く売る」という原則に相反する行動です。

これら降伏に関する一連の行動は行動経済学などで説明ができるのですが、少し専門的な話になるので本稿での解説は割愛します。

そこでジョン.K.ガルブレイスの著書「バブルの物語」で面白い表現をしているので、紹介したいと思います。

“投機は、非常に実際的な仕方で、投機の渦中にある人の知性を買収してしまうのである“

ここでいう投機とは短期的な値上がり益を意味します。

「知性を買収される」という表現は、人間の認知バイアスをとても上手に表現しています。

降伏からは、もはや不可避と言っても過言ではないでしょう。

さて問題なのは、現在の相場がバブルなのか?という事です。

現在市場で起こっている、S&P500などの指数への投資からGAFAMなどの特定銘柄への移行は、一部の個人投資家で「散見される」レベルです。

まだ大多数の個人投資家に降伏が起こっている訳ではありません。

つまり、バブル現象はまだ遠いと受け取ることができます。

しかし忘れてはならないのが、降伏という現象は相場サイクルの後半ではなく「最期の方」に表れるということです。

そして自分が最後の降伏者になる可能性が常にあります。

なぜなら降伏は、知性が買収されるぐらい強力な認知バイアスだからです。

では我々が最後の降伏者にならないためにはどうすればいいのか?

アセットアロケーションを決め、決めたルールを守り続けるしかないでしょう。

投資方針を紙に書いてみるのも手です。SNSなどの過剰な利用を避けるのもありです。

自分を守る賢明な投資手法というのは、とても地味でシンプルなものなのです。

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