The Motley Fool

バフェットのポートフォリオに入る、意外なヘルスケア銘柄とは

バフェットのポートフォリオ(正確にはバークシャーのポートフォリオ)を見ていると、概ねバフェットが好きな金融、エネルギー、一般消費財などの銘柄が並んでいます。

トップ10の銘柄のうち、金融が6銘柄、一般消費財が3銘柄(アップル含む)、そして1銘柄ですが、ヘルスケアが入っています。

彼はテクノロジーのように理解出来ないものは買わないということで、ヘルスケアもあまり買ってきてはいません。

下位の方に少し入っているテバ・ファーマシューティカル、バイオジェン、ジョンソン・アンド・ジョンソンなどは、バフェットの後継者のテッド・ウェシュラーもしくはトッド・コームズのいずれかが買ったものだろうと想像がつきます。

彼ら二人のポートフォリオは、バフェット自身が運用するポートフォリオより規模が小さいので、動きやすいとも言われています。

バークシャーのポートフォリオの10位にランクインした銘柄は、ダヴィータ・ヘルスケア・パートナーズ(NYSE:DVA)です。

同社の約30%の株をバークシャーが保有しており、筆頭株主になっています。

この会社にバークシャーとして入れ込んでいる理由は何か、見ていきましょう。

バフェット銘柄、ダヴィータについて

バークシャーがダヴィータを最初に買ったのは、2011年です。2012年末に600万株を購入し、いまや38百万株です。

ダヴィータは、腎臓透析など腎不全患者へのケアを病院や外来施設で提供する会社です。

今やこの分野では全米で最大の企業となっており、海外にも進出しています。

米国には腎臓透析患者が2016年末で468千人であり、増加し続けています。ダヴィータはそのうち20万人をケアしているとされています。

腎臓不全の患者にとって、非常に重要な必須の企業です。

こうした企業への投資を主導したのは、バフェットではなく、テッド・ウェシュラー氏(バフェットのもとで、運用を行う二人のポートフォリオマネジャーの一人)だったようです。

テッドは、このセクターを30年にわたり見てきた中での決断だったとのことです。

そしてその購入の理由を3点挙げています。

  1. 他社に比べてより良いケアを行っていること
  2. 他社よりも低コストでのケアが行われていること
  3. 高いROE。成長性が見えやすく、株主に友好的なマネジメント

より良いケアをより低コストで提供するという姿勢で運営されているため、利益率は決して高くはありません(6.2%程度)。

しかし、それでも、透析を始めると定期的に一生通い続けなければならない患者や、医療保険機関からすれば、更に安くしてほしいという圧力は常にあります。

4年前、カリフォルニア州で「透析を正当な価格で」という住民提案がなされましたが否決されました。

今年の大統領選挙でバイデン大統領と、上下両院が民主党勝利という方結果になると、ヘルスケア企業に再び価格圧力の懸念が起きやすくなるかと思います。

それでも、必須の極めて重要なケアですので、極端な形にはなりにくいと想定されます。

低コストでより良いケアの提供を行うため、利益率は低いですが、負債をうまく使うことで、高いROEを達成しています(30%台)。

ビジネスが安定しているため、負債比率が比較的高くても、問題はないかと思います。

透析を必要とする患者は増えることはあっても減ることはなく、透析を始めた人はずっと透析が必要になります。

ダヴィータのビジネスの必要性はますます高まっており、したがって、ビジネスとしての成長性もかなり想定できます。

患者が増えるとビジネスが伸びる、という言い方をすると不謹慎な印象になりますが、現時点で統計的には患者数は増え続けており、COVID-19の感染拡大というようなことがあっても、患者は透析を必要とします。

爆発的にビジネスが伸びることもないが、急激に落ち込むこともない、きわめて安定的に成長すると予想されるビジネスです。

同社は、以前からバフェットが掲げていた購入の基準からは細かい点で外れており、バフェット自身が主導で買うことはなかった銘柄だと思います。

ただ、バフェットの投資哲学の根本にある、良いビジネスを適正な価格で買う、ということには適合しています。

バフェットの投資基準12原則

バフェットの投資の基準は12の原則で説明できます。

ビジネスに関する基準

  • シンプルで理解できるビジネス
  • 安定したビジネスの実績
  • 長期的に見通しの立つ成長性があるか

経営者に関する基準

  • 合理的な経営者
  • 株主に友好的か?株主に素直に話をするか?
  • 組織の習性に屈しない

財務に関する基準

  • EPSよりもROE重視
  • オーナー利益(純利益ー減価償却費―追加運転資金)を考えているか
  • 高い利益率
  • 1ドルの利益留保が市場価値1ドル増大を心がけているか(有効な資金のアロケーションが行われている)

価格に関する基準

  • 事業の価値
  • 事業の価値より安く買うことができるか

(12の原則は「株で富を築くバフェットの法則」ロバート・G・ハグストローム著に詳しく出ています。)

バフェットやテッドに対して、ダヴィータに関するインタビューを聞いていると、少なくともビジネスに関する基準や経営者に関する基準は満たしていると判断できます。

この投資を主導したのがテッドであったとしても、バフェットもかなりお気に入りの銘柄のようです。

2013年3月にCNBCのインタビューを受けた際に、次に$1bil(1,000億円)以上の投資をするとしたらどの銘柄か、と聞かれて、「ダヴィータ」とバフェットは即答しています。

そして現在のダヴィータの保有額は$3.2bilです。

ポートフォリオの中で、持ち株比率30%を越えているのはダヴィータのみです。

バークシャーのポートフォリオもずっと見ていると、少しずつ変化が起きています。

よく見ていくと、バフェットの投資の哲学はきちんと受け継がれているようで、承継プランは順調に進んでいるように思えます。

フリーレポート配信

5Gサービスの世界市場は今年415億ドルに達し、2021年から2027年の間に年率平均44%の成長率で成長する可能性があります。その成長市場で勝者となるであろう銘柄をご紹介します。

注目の5G関連米国株」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

免責事項と開示事項 記事の作者、松本義和は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事