翻訳者は生き残れるのか、押し寄せる「AI翻訳」国内関連銘柄

コロナウイルスの影響もあり「在宅ワーク」が注目を浴びていますが、翻訳という仕事もその一つにあてはまります。
翻訳は一つの言語から違う言語に言葉や文章を訳す仕事であり、対象は印刷物であったり、インターネット上の情報だったり、メールであったり、ビジネス上の書類であったり、多種多様です。
ひと昔前の翻訳家は辞書を片手に仕事をされていたでしょうが、最近ではPCを使うのが主流となっています。
グーグルの翻訳機能をお使いになった方もいるでしょうが、仕事での翻訳となると、専用に開発された翻訳ソフトを使う場合もあります。
単語や文章を入力すると、それに見合った、訳された言葉や文章を表示してくれるとても便利なものです。
そして、最近、AI(人工知能)も翻訳の世界に参入してきました。
そこで気になるのが、「翻訳者」という仕事はなくなってしまうのか、という議論です。
これは今の翻訳業界で大きな論議になっています。
「AIが翻訳者の仕事の代わりをするので、仕事が無くなる」という意見と、「AIはニュアンスなどを汲み取って訳す事ができないので、翻訳者の仕事は無くならない」という意見の二つに分かれています。
確かに最近の翻訳ソフトの発展は著しいものがあります。
みなさんがお使いのグーグル翻訳も、AI技術が導入されはじめ、質も上昇しているように思われます。
そこで今回、ご紹介したいのは、日本の翻訳・通訳産業に関わっている銘柄です。
下記の会社は携帯用翻訳ソフトを開発したり、AI技術を使った翻訳ソフト又はサービスを提供したりしている企業です。
- 6182…ロゼッタ(AI翻訳の開発と販売)
- 4344…ソースネクスト(通訳機「ポケトーク」の開発と販売)
- 2468…フュートレック(音声認識技術、音声翻訳システムの開発と販売)
- 2483…翻訳センター(専門分野の翻訳サービス)
ロゼッタ社とソースネクスト社は、最近話題の技術を利用したり、商品を発表していることもあり、株価も数年前から上昇トレンドとなっています。(多くの銘柄同様、2020年前半はコロナの影響で下げていますが)
AI技術を利用し、産業・ビジネス分野で95%の高精度翻訳を実現した自動翻訳ツール「T-400」の開発・販売をしているロゼッタ社と、小型翻訳機「ポケトーク」の開発・販売をしているソースネクスト社が、今後翻訳・通訳業界にどう影響するのか、将来の新技術として注目の銘柄です。
フュートレック社は音声認識技術の開発と販売を行っている会社で、端末などに話しかけるとその命令に作動するというシステムの開発と販売を行っています。
iPhoneをお使いの方はSiriのような機能と言えばご想像がつくでしょうか。
この技術を利用し、顧客管理、声認証、翻訳の分野にてビジネスを展開しています。
翻訳センターは大手翻訳会社で、主に企業向けに医薬・特許・金融関連の翻訳サービスを提供している会社です。
普通の翻訳会社というのは中小企業も含めて多く存在しますが、専門分野を扱う会社となるとその数も限られてきます。
その中で特に翻訳センターが扱っている翻訳分野は、企業の機密事項が多く含まれている為、一度サービスに満足すれば、継続的に同じ会社を利用する傾向にあると予想します。
加えて登録翻訳者数が3,200名にも及ぶ翻訳会社となれば、今後も安定した業績になるのではないでしょうか。
これらの銘柄関連のイベントとして、来年に延期された東京オリンピックがあります。
海外からの来客や日本国内でのビジネス支援として、上記の会社のサービスが利用される機会は多くなりそうなので、オリンピック銘柄として今から注目しておくのも良いかもしれません。
そして、その後の長期の展開としては、翻訳という産業が果たしてAIをどう必要とするか、AI技術がどう進歩するかによって、上記の銘柄のビジネス展開も変わってくると思います。
はたしてAI技術は翻訳者や通訳者の仕事を奪ってしまうのか、もしくは支援ツールとして活用されていくのでしょうか。
筆者個人の意見としては、AIは人間が考える・しゃべる事を100%理解・処理できないと思っているので、人数こそ減るでしょうが、翻訳者や通訳者の仕事は将来も存在し、これらの技術は支援ツールになると想像しています。
10年後、20年後、どうなっているのか、今から楽しみです。
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免責事項と開示事項 記事の作者、小林貴之は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。