The Motley Fool

【米国株決算】インテルの最新決算情報と今後の株価の推移

インテル(NASDAQ:INTC)はアメリカに本社を置き、半導体チップの設計・生産を行う半導体素子メーカーです。

主にマイクロプロセッサ、チップセット、フラッシュメモリ等の設計開発・製造・販売等を行っています。

1990年代からはコンピューター関連のハードウェア事業も展開しており、長年にわたって不動の地位を築いてきたものの、近年はその地位が脅かされつつあります。

Gartnerが発表した2019年の世界半導体売上高ランキングによれば、1位はインテルの657.93億ドルでシェアは15.7%、2位はサムスン電子の522.14億ドルでシェアは12.5%となっています。

2017年と2018年はサムスン電子が1位となっていましたが、インテルが再び首位を奪還した形になります。

またCPU部門に関してもインテルは市場シェアの80%前後を維持し続けていましたが、近年はAMDも躍進もありそのシェアは70%を下回った66%ほどとなっています。

シェアが減少しているインテルに対してAMDの市場シェアは33%ほどとなっており、2016年以降、上昇を続けています。

AMDは昨年新しい「Ryzen」シリーズを相次いで発表したことによりそのシェアを伸ばしています。

日本における販売数シェアは2019年以降AMDが60%前後、インテルは40%前後となっており、AMDが市場を席巻しつつあります。

本記事ではインテルの最新決算情報である2020年第2四半期決算情報と今後の株価の推移について見ていきます。

決算発表前におけるインテルの株価等のデータ

インテルは2020年第2四半期決算を7/23の引け後に発表しました。

発表直前である7/23における同社株価は特に大きな推移などなく、終値は60.40ドルで引けました。

続いて同社株価の今までの値動きについて概観していきます。

2000年頃に70ドル超まで高騰した後は軟調な推移が続いており、10ドル台~20ドル台前後で推移していました。

しかしながら2010年頃から再び上昇に転じ、緩やかな上昇が続きました。

コロナショック直前には70ドル弱の高値を付けていましたが、コロナショックの影響もあり、40ドル強まで下落しましました。

4月頃には60ドル台まで回復したものの、その後は横ばいでの推移をしており、上値の重さが感じられる推移となっています。

インテルはNYダウ工業株30種平均とS&P500の構成銘柄の一つであり、7/24における同社時価総額は2,142億ドルとなっています。

次に同社の株式配当実績について見ていきます。

日付は権利落ち日を記しています。

  • 2020/08/06…配当:0.33ドル(配当利回り:2.19%)
  • 2020/05/06…配当:0.33ドル(配当利回り:2.24%)
  • 2020/02/06…配当:0.33ドル(配当利回り:2.45%)
  • 2019/11/06…配当:0.315ドル(配当利回り:1.99%)
  • 2019/08/06…配当:0.315ドル(配当利回り:2.39%)

1992年以降減配はなく、2013年2014年に配当据え置きとなったため連続増配記録は長くありませんが、安定的な配当を行っている企業であると言えます。

インテルの最新決算情報

概要

インテルが発表した2020年第2四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…197.28億ドル(前年同期比19.5%増)
  • 営業利益…56.97億ドル(前年同期比23.4%増)
  • 純利益…51.05億ドル(前年同期比22.2%増)
  • 希薄化後EPS…1.19ドル(前年同期比29.3%増)

売上高は前年同期から19.5%増加した197.28億ドル、GAAPベースの純利益は前年同期から22.2%増加した51.05億ドルになっています。

大幅な増収増益となっており、極めて好調な決算であると言えるでしょう。

また今四半期におけるR&D費用は33.54億ドルとなっており、前年同期とほぼ同水準となっています。

同社が発表した決算短信におけるコメントは以下の通りです。

当四半期はクラウド配信サービス、ワーク・アンド・ホーム環境、5Gネットワークの構築をサポートするためのコンピューティング・パフォーマンスに対する強い需要が継続しており、予想を大きく上回る素晴らしい四半期となりました。

デジタル化が進む私たちの世界では、インテルのテクノロジーは地球上のほぼすべての産業にとって不可欠なものです。

私たちには、生活を豊かにし、イノベーションと実行に継続的に焦点を当ててこの会社を成長させる素晴らしい機会があります。

詳細

続いて同社決算をセグメント別に見ていきます。

セグメント別での売上高の概要は以下の通りです。

データセンター・グループ…71.17億ドル(前年同期比42.8%増)

  • プラットフォーム…61.81億ドル(前年同期比35.8%増)
  • 隣接収入…9.36億ドル(前年同期比117.7%増)

IoT…8.16億ドル(前年同期比31.3%減)

  • IOTG…6.70億ドル(前年同期比32.0%減)
  • Mobileye…1.46億ドル(前年同期比17.4%減)

不揮発性メモリーソリューションズ・グループ…16.59億ドル(前年同期比76.5%増)

プログラマブルソリューションズ・グループ…5.01億ドル(前年同期比2.5%増)

クライアントコンピューティング・グループ…94.96億ドル(前年同期比7.4%増)

  • プラットフォーム…82.29億ドル(前年同期比3.8%増)
  • 隣接収入…12.67億ドル(前年同期比38.3%増)

その他…1.39億ドル(前年同期比113.9%増)

総売上高…197.28億ドル(前年同期比19.5%増)

データセンター・グループ(Data Center Group)全体の売上高は、前年同期から42.8%増加した71.17億ドルとなっています。

データセンターは同社が今後力を入れていくと発表している事業の一つです。

データセンターとは企業やクラウドを提供している企業などが建設するサーバーの格納をする建物のことを指し、その需要は拡大しています。

IoT(Internet of Things)では自動運転やスマートシティ関連の売上高が計上されており、その売上高は前年同期から31.3%減少した8.16億ドルとなっています。

不揮発性メモリーソリューションズ・グループ(Non-Volatile Memory Group)における売上高は、前年同期から76.5%増加した16.59億ドルとなっています。

不揮発性メモリとは、電気が流れていなくても記憶することができるメモリの総称のことを指します。

またプログラマブルソリューションズ・グループ(Programmable Solutions Group)における売上高は、前年同期から2.5%増加した5.01億ドルとなっています。

同事業では、通信やデータセンター、軍事、自動車などの幅広い市場向けのプログラマブル半導体を提供しています。

最後にクライアントコンピューティング・グループ(Client Computing Group)では、パソコンや様々な端末のマイクロプロセッサやあらゆる機器などを展開している同社のコア事業です。

パソコン向け半導体の売上高などが計上されています。

同事業における売上高は前年同期から7.4%増加した94.96億ドルとなっています。

インテルの第2四半期における売上高は全体的に好調でしたが、特に好調だったのはデータセンター・グループの売上高です。

同社は第2四半期に新製品を発表しており、データセンター、ネットワーク、インテリジェントエッジ環境向けのハードウェアとソフトウェアのAIポートフォリオを新たに追加したことで、データセンター向け製品の提供を強化していました。

またPC製品を販売するクライアントコンピューティング・グループでは、前四半期に引き続き消費者の巣ごもり需要によって売上が好調でした。

ただし需要がノートPCにシフトしたことによって、デスクトップフォームファクタの数量は減少しました。

また今後は「Tiger Lake」、「Ice Lake」、「Alder Lake」といった10nmプロセス製品への移行を加速させていく一方、次世代の7nmについては製造プロセスの歩留まりが社内目標から約12か月の遅れとなっている影響を受け、それによって7nmプロセスで製造するCPU製品の計画が従来の見通しより約6か月遅れているとしており、長期的な見通しに不安材料を残しています。

そのほかにも新製品生産プロセスの遅れが続くのであれば自社生産を撤退するという選択肢も含め、柔軟に対応していくと述べていました。

同社は50年に渡り自社生産を行ってきており、他社との最大の差別化ポイントとなっていました。

同社が自社生産から撤退すれば半導体業界全体の潮目が変わっていく可能性があります。

また同社が発表している2020年第3四半期決算の業績予想、及び通年業績の予想は以下の通りです。

2020年第3四半期決算

  • 売上高…およそ182億ドル(前年同期比5.2%減)
  • EPS…およそ1.02ドル(前年同期比24.4%減)

2020年通年業績

  • 売上高…およそ750億ドル(前年同期比4.2%増)
  • EPS…およそ4.53ドル(前年同期比3.8%減)

決算発表後におけるインテルの株価の推移

インテルは2020年第2四半期決算を7/23の引け後に発表しましたので、決算発表の翌日である7/24における同社株価の推移について見ていきます。

前日終値である60.40ドルに対して7/24の始値は52.10ドルとなっており、14%ほど下落しています。

その後日中も冴えない値動きをしており、終値は50.59ドルと前日終値から16%ほど下落した価格で引けています。

同社株価が決算発表後に大きく下げた要因としては、次世代型プロセス製品である7nm製品の開発状況が大幅に遅れていること、50年に渡って続けてきた自社生産から撤退する可能性を示唆したこと、次四半期決算ガイダンスが前年同期比減であることなどが挙げられるでしょう。

今四半期の決算内容はよかったものの、先行きに大きな不安が残る内容も含んでおり、そのことが大幅な下落を引き起こしたと言えるでしょう。

同社の今後の株価の推移としては、リモートワークやリモート学習が推進されていることもあり、業界としては高い需要が続くと考えられるものの、インテルが自社生産の撤退という歴史を動かす可能性を示唆したことにより、同社の先行きの不透明さが増しています。

しばらくは冴えない株価の推移を続くと言えるのではないでしょうか。

参考元:

Intel Reports Second-Quarter 2020 Financial Results

Intel 2019 Annual Report

フリーレポート配信

配当株探しの3つのヒントを示すとともに、注目銘柄もご紹介します。

配当株探しの3つヒントと注目3銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

免責事項と開示事項 記事の作者、白紙は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事