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今注目するべき米国のデジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄の最新動向

デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)の言葉の起源は、2004年にスウェーデンの大学教授が提唱した造語です。

これはデジタル技術が浸透することで生活がより便利で豊かになると同時に、既存の技術や価値観を根本から変えてしまうような革新的なイノベーションを指す言葉です。

ここ数年、欧米を中心にDXという言葉が頻繁に使われ始めましたが、新型コロナウイルスをきっかけに全世界的にDXが広まり浸透しました。

ウイルスに対するワクチンや治療薬が完成しない限り、コロナ以前のような「安心」が戻らないことを考えると、少なくとも今後、数年間はDXがトレンドとなるはずです。

今回は今注目の米国DX銘柄について解説していきます。

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ

2020年4月、新たにナスダック100に採用されたDX企業の代表格がズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(NASDAQ:ZM)です。

創業は2011年ですが、新型コロナウィルスをきっかけに一気にズームを使ったビデオ会議が世界中に浸透しました。

ズームが他社よりも優れているのはオープンAPIを設計デザインし、ズームに登録していない人でも簡単に使えるサービスにしたことです。

急激なサービス需要により一時的に「セキュリティ」の懸念もありましたが、日々サービスを改善・改良しています。

株価も年初から4倍近く上昇しており、第1四半期と第2四半期の売上高とEPSは事前予想を上回るガイダンスを出しています。

数字にもはっきりと好調な業績が反映されており、リモートワークを代表する企業であることに変わりはないでしょう。

また現時点でこれほどに高品質なビデオ会議ソフトはなく、グーグルやフェイスブックのビデオツールよりも格段に性能は上です。

また7月15日には、年内中にビデオ会議用端末を販売することも発表し、新たなリモートの形を作り出せるのかも注目したいポイントです。

ズーム・インフォ

ズーム・インフォ(NASDAQ:ZI)は営業支援ツールをクラウド上で提供する米国Saas企業です。

現在のようにBtoBビジネスをする上で必ず必要になる営業(商談)ですが、事前にリモートで顧客情報を分析してくれるサービスを展開しています。

例えば新規契約の確率が高い企業をランク付けしてリストを作成してくれ、顧客の最新情報が常にアップデートされるので、最適なタイミングでビジネスの提案が可能となる驚くべきサービスです。

マーケティングの観点からみれば、メールの開封率や自社サイトの滞在時間などを分析し、優良顧客を教えてくれる最高の営業ツールといって間違いないでしょう。

またズームインフォはサブスクリプションビジネスであり、顧客企業から毎月定額で安定した金額が振り込まれます。

これにより顧客を囲い込みしやすく、キャッシュフローの見通しが予測しやすいことも好材料です。

現在の顧客数は約1.5万社であり、市場規模としては現在の約30倍の74万社を見込んでいます。

とはいえズームインフォは今年の6月4日にIPOをしたばかりです。まずは最初の決算に注目したいところです。

ドキュサイン

ドキュサイン(NASDAQ:DOCU)は電子署名ビジネスの分野において世界最大の会社です。

デジタル化が進んだ現代社会において、不思議と署名だけはサインとハンコが必要であり、事務処理分野は効率化が進んでいません。

日本ではハンコ、米国ではサインする文化が浸透しており、そのことも電子署名がイマイチ進まない要因です。

そして既に根付いた習慣を一気に変えようとしているのが、ドキュサインのサービスなのです。

サインをする際に悪用されないようセキュリティ面も万全であるため、現在は200カ国以上にサービスが普及し、顧客は約66万社に到達しています。

世界の金融企業の約7割、製薬企業は約9割がドキュサインを採用しています。

普及した要因として、大企業だけでなく個人事業主でも導入しやすい価格設定であることと、APIによって企業が取り入れやすいシステムにデザインされていることも優れた特徴です。

また書面でサインするような感覚を意図的に取り入れるなど、細やかな部分においても様々な工夫がされています。

電子署名の分野はまだまだ未開拓の分野が多いですが、デジタルの普及とともに売上高も確実に増加していくことが予想されます。

オクタ

オクタ(NASDAQ:OKTA)は、シングルサインオンといって1回パスワードを認証すれば様々な企業サービスを利用できる本人確認サービスをクラウド上で提供している会社です。

例えばビジネスシーンで使われる様々なクラウドサービスは便利であるものの、その都度本人確認をする手間がかかります。

オクタを使うことで、プロジェクト毎のアクセスなどを一括で管理できるため、ストレスフリーで業務を効率化してくれます。

特に大きな会社になればなるほど社員が増加し、ID管理が煩雑となります。

それを自社サービスで管理しようとすると膨大なコストと時間を費やすことになりますが、オクタに委託すればID管理を全てクラウド上で管理することができます。

特に新型コロナウイルスによってリモートワークが必須の時代に突入しており、いかに機密情報をリモートのまま管理できるのかがビジネスをする上で欠かせません。

オクタはそうした課題を解決してくれるサービスとして注目されています。

IDaaS業界(Identity as a Service)のリーディングカンパニーとして、オクタの動向は今後も注目です。

マイクロソフト

GAFAMのなかで最も好調な企業が老舗のマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)です。

特筆すべきは事業として新型コロナウイルスの影響をほとんど受けておらず、リモートワークで使えるオンライン会議ツールの「チームズ」の利用者も増加しています。

またマイクロソフトが開発・提供するクラウドプラットフォーム「アジュール」の売上高の伸び率は3月期決算で成長率+59%増であり、これは競合するアマゾンの「AWS」の成長率+33%よりも躍進していることが分かります。

ハイテク企業の中で最も総合的なサービスを展開しており、リモートワークに最も安心感を提供できる会社こそマイクロソフトといって間違いないでしょう。

また7月8日に「トゥギャザーモード」と呼ばれるビデオ会議の新機能も開発しており、さらに進化したリモートの形が生まれそうです。

マイクロソフトの決算は7月22日。ガイダンスを上回る決算となるか注目です。

おわりに コロナで企業価値に地殻変動が起きている

新型コロナウイルスが新たなトリガーとなり、世界を巻き込んだ企業の時価総額ランキングは大きな変化を迎えています。

現在、成長企業の株価が急騰する現象を「テスラ現象」と呼ばれていますが、2019年12月末からわずか半年で各業界に大きな時価総額の逆転や肉薄する展開が続出しています。

今後もさらにデジタル化の勢いが加速していくことを考えれば、先を見通した株価がいち早く反応するのは自然な流れです。

新たな時代へ突入していることは間違いなく、今後も新旧企業が激しい争いを続ける中で、私たちの暮らしはさらに快適で便利なサービスを享受していくはずです。

米国のDX銘柄もそうした社会的背景の一端を映し出す鏡であることは間違いありません。

投資家は今こそ過去の慣習に捉われない謙虚な姿勢で株式市場と向き合うべきではないでしょうか。

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免責事項と開示事項 記事の作者、鈴木林太郎は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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