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【米国株動向】AT&T株で億り人になれるか?

モトリーフール米国本社、202079日投稿記事より

米国は世界最大のスマートフォン市場の一つですが、スマートフォンの普及率が80%超に上る成熟市場でもあり、大手通信会社AT&T(NYSE:T)はベライゾン・コミュニケーションズやTモバイルと熾烈なシェア競争を繰り広げています。

こうした環境の下、AT&Tの株価に上昇余地はあるのでしょうか。

周到な計画も水の泡

AT&Tの成長戦略には、5Gネットワークの構築、および同ネットワークとエンターテインメント事業との組み合わせによる契約者の呼び込みと機器の買い替え促進が含まれており、また同社は広告技術を駆使して得られた情報を活用することで、広告収入の拡大を図ってきました。

2019年の時点でこの戦略はうまくいっており、同年のフリーキャッシュフローは前年比30%増の290億ドルと、過去最高を記録しました。

一方で、ディレクTVやタイム・ワーナー(現ワーナーメディア)の買収で債務も膨れ上がっていましたが、売上高やフリーキャッシュフローの増加で債務も返済できる予定でした。

そこに新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が襲いかかり、第1四半期の売上高は前年同期比20億ドル減の428億ドルとなりました。

ワーナーメディア部門の売上高は、映画館の閉鎖に加えて、NCAA男子バスケットボール・トーナメントといった人気スポーツイベントが中止になったことで広告収入が減少した影響により、同10億ドル減の74億ドルとなりました。

中核の通信事業でも小売店の休業で端末売上が同8%減の34億ドルに落ち込みました。

AT&Tは突然、売上が減少する中で債務を返済する方法を考えなければならない事態に直面し、4,700人の人員削減、約250店舗の閉鎖、ワーナーメディアのゲーム部門の売却などが報じられています。

復活への道のり

AT&Tの回復のカギを握るのは通信事業で、同社の5Gネットワークが予定通りに今夏中に全国整備され、5Gが普及すれば、機器の買い替えが進み、端末売上は上向くでしょう。

調査会社ガートナーの予測では、2020年の世界のスマートフォン出荷台数のうち5Gの割合は12%ですが、2023年には50%以上に拡大する見通しです。

契約者の無制限のデータプランへの移行は既に見られますが、5Gへの乗り換えが進めば料金プランの変更による売上の増加も見込まれます。

同社は顧客の買い替えを促進するため、既に新たな動画配信サービスHBOマックスと5Gのセットプランを発表しています。

課題は5Gでどれだけのシェアを握れるかで、値下げを余儀なくされるかもしれませんが、同社のワイヤレスサービス事業は4四半期連続で売上高が伸びており、市場での競争に勝てる可能性は十分にあります。

結論

AT&Tは5Gネットワーク、ワーナーメディアの配信コンテンツ、デジタル広告プラットフォームのXandr((ザンダー) など、成功に必要な潜在力のある資産を持っていますが、莫大な債務が同社の財務状況に大きな影を落としており、株価の重石となっています。

第1四半期末時点で1,600億ドル超に上ったことに加え、4月にはパンデミックによる不確実性に備えるために追加で55億ドルを借り入れました。

この債務に対する見通しが立たない限り、株価上昇も見込めず、それには時間がかかる可能性があります。

ただし、長期的視点であれば、6.95%の配当利回りは魅力的に映ります(執筆時点)。

【米国株動向】ベライゾンとAT&Tはどちらがおすすめ?

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このレポートでは、パンデミック時に生じる需要増の恩恵を受けるだけでなく、長期的な成長性のある優良株に注目してみます。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Robert Izquierdoは、AT&T株を保有しています。モトリーフール米国本社は、記事で言及されている株式を保有していません。

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