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狙われる香港ドル。香港ドルのリスクに日本人投資家も警戒が必要か?

出典:Getty Images

香港国家安全維持法が可決され、香港を巡る情勢は緊張状態が続いています。

国家安全維持法が可決されたことによって、中国共産党による香港の民主政治や自由が根本から覆ってしまうのではないかと言われています。

中国への批判もあり、米国は香港の経済・貿易などの優遇措置の剥奪に乗り出しています。

このような国際情勢を受けて、現在市場関係者の間で注目されているのが香港ドルの動向です。

中にはリーマン・ショックの際に空売りで資産を7倍にしたカイル・パスのように、香港ドルの下げに賭けているヘッジファンドもいます。

香港は歴史の転換点を迎えており、香港ドルに何かあれば多くの日本人投資家にも大なり小なりの影響があると考えられます。

香港は世界の市場を左右するほど大きな存在です。日本人投資家は香港ドルに対して何ができるのでしょうか。

香港の優遇措置停止とは?香港の歴史と香港国家安全法成立後の影響を解説

香港ドルの安定が揺らぐ。国家安全維持法

国家安全維持法によって何が変わるのでしょうか。

例えば、香港に中国政府独自の治安機関が設置される、香港独立や共産党への批判が違法になる、集会が自由にできなくなる、など今まで香港の土台となっていた「自由」がなくなってしまうのではないかと懸念されています。

中には香港から投資資金を引き上げる人や香港から国外に脱出する人も見られます。

国際金融センターとしての香港の地位が今後とも続くのかがどうかが注目されています。

香港ドルのカレンシーボード制と先行き不安

香港ドルはカレンシーボード制というドルペッグ(連動)を採用しています。

香港ドルは1米ドルに対して、7.75-7.85香港ドルの狭いレンジの中でしか値が動かないように設定されています。

上限か下限に達すると、香港金融管理局が為替介入をする仕組みになっています。

香港は香港ドルと米ドルの動きを連動させることで通貨の価値を安定させてきました。

しかし、香港からドルやユーロ建ての資金が流出したり、米国が香港への米ドルの供給を抑えたりすると、香港のドルペッグ制は維持できるのかという不安も市場関係者の中から出てきます。

さらに香港ドルが米ドルペッグをやめて人民元にペッグされる可能性もあります。

そうなると香港の約4,400億ドルにものぼる外貨準備(米国債)が結果的に売られ、米国債の金利の急騰や逆相関にある米国株全体の下げにつながることも視野に入れなければいけません。

米国株投資家にとっても香港ドルは対岸の火事では済まないかもしれないのです。

ヘッジファンド、カイル・パスが香港ドルを狙う

リーマンショックのときに空売りで初期資産を7倍にしたカイル・パスのヘッジファンドも、香港ドルの下げに賭けています。

カイル・パスのファンドは、香港ドルが下落すれば多額のリターンが得られる代わりに、1年半後に無傷のままなら資金を失うという仕組みです。

過去に香港は、90年代後半のアジア通貨危機の時代のジョージ・ソロスのショートからも香港ドルを守りきった実績があります。

香港ドルはこれまでにもヘッジファンドから狙われてきましたが、潤沢な外貨準備高によって自国通貨を守ってきたのです。

しかし、今回は香港ドルを取り巻く環境そのものが大きく変わってしまう可能性があり、どうなるかは分かりません。

ただ、香港ドルの動向に関しては日頃から注意しておいた方が良いのではないでしょうか。

日本人投資家ができること

香港ドルが売りという立場もあれば、むしろ香港ドルが買いという立場もあります。

香港ドルが人民元にペッグされるタイミングで、仮に人民元が米ドルに対して高く、その高い人民元に香港ドルが寄っていくケースです。

香港ドルが上がるケースも、下がるケースもありますが、少なくとも香港ドルが大きく動く可能性はあります。

日本人投資家は香港ドルに対して何ができるのでしょうか。

例えば、日本では中国株といえば香港株です。中には香港ドル建てで香港株買い付け資金を保有している投資家もいるかもしれません。

その場合、香港株の買い付け用の香港ドルは、大きな為替リスクに今後あう可能性もあるため、香影響を受けたくなければ一度円に戻すといった対策はできます。

キャピタルフライトブームの時に香港の銀行口座にお金を預けた人は、通貨を香港ドル以外にするか資金の引きあげを検討するべき時期かもしれません。

また香港ドルの上昇、または下落にうまく乗って利益をあげようという野心的な投資家ならば、香港ドル/円や、香港ドル/米ドルの取引ができるFX口座を開設して、備えておくのも手です。

単純に為替をヘッジする目的でも使えます。

香港の動向を投資家は確認しておくべき

国際金融センターの香港の動向は、米国株投資家や日本人には関係がないことのように思えるかもしれません。

しかし香港が震源地となり、香港から米国債が売られることで結果的に米国市場にネガティブな影響が出てしまう可能性もあります。

直接、香港に関係していなくても間接的な影響は受けてしまうかもしれません。

香港の情勢や香港ドル/米ドル、人民元/米ドルの為替動向や、米中の関係性は海外投資をするうえで、2020年下半期以降、大きく市場を動かすテーマになりえます。

市場に絶対はないので断言はできませんが、香港が歴史的な転換点にあることは確かでしょう。

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