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2020年最高の上場なるか?新薬特許ビジネスのロイヤリティ・ファーマを徹底解説

米国で最も注目されているIPO銘柄がロイヤリティ・ファーマ(NASDAQ:RPRX)という米国のバイオ医薬品の投資会社です。

発行株式数は7,000万株を公開しており、2020年6月16日にナスダックへ上場しました。

上場にあたっての価格は28ドルで行われましたが、初日の終値は44.5ドルの値を付け、株価が1日で59%上昇しました。

ロイヤリティ・ファーマは今年行われる米国のIPOの中で最大規模とも呼ばれています。

なぜこれほど期待値が高いのか、どんな会社なのかについて今回は分析していきます。

ロイヤリティ・ファーマの会社概要と事業モデル

社名の由来でもある「ロイヤリティ」とは特許権を意味する言葉であり、ロイヤリティ・ファーマの事業モデルは新薬の特許ビジネスです。

具体的には新薬の開発から出資をしてロイヤリティを取得し、その後に新薬が完成した場合、売上の一部を「ロイヤリティ」として受け取る仕組みによって利益を得ている会社です。

1996年にニューヨークで設立以降、現在まで約180億ドルに及ぶ資金によってバイオ医薬品の特許を取得しています。

なぜこの分野に目をつけたのかというと、製薬会社が必ずしも新薬販売を得意としているわけではないからです。

例えば、新薬の発見には製薬会社の他にも大学での研究などがありますが、他の研究の副産物として新薬開発が進んで行くことが多々あります。

発見したことは素晴らしいことですが、発見段階から市場への販売までは想像以上にハードで長い道のりがあります。

まず臨床試験をしてFDA(米国食品医薬品局)の承認を得る必要があります。

そこまでも大変であるにも関わらず、そこから販売する上でのマーケティング戦略を練る必要があり、この過程で普通の企業は財務や人材登用の経営体力が持ちません。

つまり製薬会社などの研究開発機関にとっても、市場に出荷できる段階まで商品化できた新薬は権利ごと転売したほうが都合が良いのです。

そして、そこに手を差し伸べてくれる強力な存在こそロイヤリティ・ファーマです。

商品化から販売までの権利を購入してくれることで、互いにリスクヘッジが可能となり、両者に利益を生み出す仕組みであることが、「ロイヤリティ」の事業モデルの根幹です。

つまりほぼ間違いなく新薬完成にたどり着くであろう新薬候補への投資リスクを負担する代わりに、売上の一部から手数料を得ているのです。

具体的には誰もが知る企業であるジョンソンエンドジョンソン、メルク、バイオ大手のギリアド・サイエンシズなどに新薬を販売しています。

そして、そこで得た利益をまた新薬開発に再投資しているのです。

こうして製薬開発会社にも潤沢な投資資金が持たらされる好循環を生んでいます。

つまり、私たち人間がより健康で生きていくために欠かすことのできない製薬分野へ多大な貢献をしているといえるのです。

最大の強み

極めて参入障壁の高い分野で一人勝ちしているロイヤリティ・ファーマですが、従業員はたったの35人に過ぎません。

とはいえ誰もが新薬や金融のプロフェッショナル集団であり、少数精鋭の為、人件費も掛かりません。

また現在保有している「ロイヤリティ」は45個あり、これは45種類の新薬から利益を得られること意味しています。

つまり、どんな社会情勢においても利益を得られる仕組みがあることが最大の強みであり、投資家にとっても極めて安全な投資先と判断出来るのではないでしょうか。

また明確な定義はありませんが、製薬業界で年商10億ドル以上の製品を指すことが多い「ブロックバスター」と呼ばれる新薬を22種類も保有しており、もちろんこの業界で1番多く保有しています。

いかにこの分野における実力が突出しているのかを数字からも読み解くことができるのです。

期待される成長率

世界の医薬品市場において1番大きなシェアを占めているのが米国の約40%です。

この分野における米国の年平均成長率は7%以上あるため、単純計算してもロイヤリティ・ファーマの売上高も同じように年々上昇していくはずです。

とはいえ「ロイヤリティ」も永続的なものではなく、1番スタンダードな年数で15年が期限です。

例えば2019年の売上高が減少した要因としては「ロイヤリティ」の期限が切れたことにあります。

条件が重なり一時的に減少する年は今後もあるものの、基本的には右肩上がりで成長していくことが期待されており、極めて安定した収益構造があることが今年最大級のIPO銘柄と呼ばれる要因でしょう。

まとめ 米国内での高い期待値

ロイヤリティ・ファーマは上場初年度の今年から配当を出すと宣言しています。

今の見通しとしては配当利回りが2%、四半期配当で15セントを見込んでいるとても優秀な企業です。

投資家として考えたならば、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を得る可能性が高い魅力的な企業と言えるのではないでしょうか。

また医薬品の特許の世界は業界に関する知識や経営力だけでなく、医薬分野でいかに幅広い人材と信頼関係を構築しているのかも、このビジネスには欠かせない資質です。

それゆえに、今現在、ロイヤリティ・ファーマの牙城の脅威となる企業は見当たらず、今後も長期間にわたってこの分野における特権的な企業であり続けることが予想されます。

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免責事項と開示事項 記事の作者、鈴木林太郎は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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