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今更聞けない、FRB・FOMCの役割と株価への影響について解説

米国株投資家が常にその動向に注目しているのが、米国の金融政策を動かすFRBです。

FRB議長の発言によって、米国だけでなく世界各国の金融政策に大きな影響を与えます。

今回はFRBと米国の金融政策の基本方針を話し合うFOMCの役割と株価への影響について解説していきます。

FRB・FOMCの役割

米国の中央銀行を「FRB(Federal Reserve Board)」と呼び、日本語では「連邦準備理事会」と呼ばれています。

実はFRBと呼んでいるのは日本人だけであり、米国では「Fed(フェッド)」と呼ぶのが一般的です。

FRBの設立は1913年。それ以前にも米国は恐慌や不況を何度も経験しており、次第に金融システムを安定化させることが必要不可欠という声が大きくなり、FRBが誕生しました。

米国の中央銀行の仕組みは、中枢部分のFRBと中央銀行の実務を担う「12の地区連邦準備銀行」で形成されており、このシステムを「FRS(Federal Reserve System)」と呼んでいます。

12の地区連銀とは、ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィア、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、シカゴ、セントルイス、ミネアポリス、カンザスシティ、ダラス、サンフランシスコの地区を指しています。

またサンフランシスコ地区連銀はハワイ州とアラスカ州も管轄下としています。

そして米国の金融政策の基本方針を話し合い決めているのが「FOMC(連邦公開市場委員会)」です。

FOMCはFRB理事と12名の地区連銀総裁が会議に参加します。

政策金利や四半期毎の経済・金利見通しの作成を行っています。

そこで地区連銀の代表格であるニューヨーク連銀が、FFレートを決めるフェデラルファンド市場において公開市場操作を行い、目標水準まで誘導しようとします。

このFFレートとは米国の政策金利のことで、米国の景気悪化のときはFFレートが低下し、景気改善したときはFFレートが上昇する特徴があります。

ちなみにFOMCの議長はFRB議長、副議長はニューヨーク地区連銀総務が担当しています。

このFOMCで米国の金融政策は決まり、その影響力は米国だけでなく世界経済全体に波及します。

米国の金融政策が株価に与える影響

米国の金融政策がなぜ世界経済に大きな影響を与えるのかというと、米国が世界最大の経済大国であることと、米ドルが世界の基軸通貨となっているからです。

つまり、物とお金が世界で一番循環している国が米国ということです。

実際、FRBが行う金融政策を巡って各国様々な思惑が飛び交います。

米国の短期・長期金利の変更は日本を含む世界中の経済に影響があるため、FRBは世界の銀行とも呼ばれています。

FRBの金融政策の影響を直接受けるのが、サウジアラビアなど「ドルベック制」を採用している国です。

この制度はドルと自国通貨の為替レートを固定する制度です。

これにより自国の弱い通貨でも為替取引が安定します。

その反面、自国通貨をFRBの政策金利と連動させる必要があり、FRBが景気悪化によりFFレートを急激に引き下げた場合、ドルベック制を採用する国の政策金利も実体経済以上に低下するデメリットがあります。

FRBの役割

FRBは7名の理事によって構成されており、理事の中から議長1名と副議長2名を選出します。

現在の議長は2018年2月に就任したジェローム・パウエル氏です。

FRBの役割とは「物価安定」と「最大雇用」の2つを継続して実現させることです。

ここでいう「最大雇用」とは、FRBの金融政策によって最大限、米国の雇用を増やすという意味です。

実は他国の中央銀行の多くが「物価安定」のみの役割であるのに対して、FRBが役割とする範疇はとても広いことも特徴です。

ではFRBの役割にはどういったものがあるかというと、下記2つを覚えておくと便利です。

プライマリークレジット金利と準備預金付利金利の決定

「プライマリークレジット金利」とは、信頼の置ける金融機関に対してのみ行う貸出金利のことで、これは米国版の公定歩合といえます。

金融危機の対応など、経済状況に応じて金利の上げ下げをして、経済を一刻も早く正常化させようとします。

「準備預金付利金利」とは、米国の民間銀行が地区連銀に置いてある当座預金の残高に対して支払われる金利です。

民間銀行は預かっている預金を一定率預けることを義務付けられており、それを超える超過準備にたいしても利息を付ける対象となっています。

つまり米国の政策金利の推移をみるだけで、米国経済がどんな状況にあったのかを知ることが出来るのです。

銀行以外への緊急貸付

FRBには「銀行以外への緊急貸付」という大きな権限があります。

これは金融危機や新型コロナによって経済危機が発生した場合、景気と経済システムを回復させるために、さまざまな「非伝統的金融政策」を採択してきました。

その中でも特にインパクトが大きいのが「量的緩和政策」です。

これは国債や住宅ローンの担保証券などを買い入れ、金融市場に資金を供給する政策のことで「QE(quantitative easing)」とも呼ばれています。

例えば、政策金利を0%に引き下げても景気のカンフル剤としてもの足りない状況の時、市場への資金供給量を増やすことで金融緩和を行っているのです。

FRBはこれまでにQEを4回発動しており、新型コロナ対策として今年実施されたゼロ金利や米国債の買い入れなどが「QE4」に該当します。

おわりに 米国経済から世界経済の動向は読み解く

なぜ米国経済から世界経済の動向を予測するのかというと、現在の資本主義社会において、各国経済が米国を中心に繋がっているからです。

米国が起点となり、先進国から新興国まで世界中の国々の経済がモノやマネーの流れを生んでいます。

それは中央銀行も同じです。

米国のFRBは「世界の中央銀行」と呼ばれていますが、「日本銀行」やユーロ圏の「ECB(欧州中央銀行)」、英国の「イングランド銀行(BOE)」が金融政策を決める際にFRBの動向が必ず影響を与えています。

実際、FRBが主導する形で各国が一斉に「協調利下げ」が行われることもあります。

世界の基軸通貨がドルである限り、世界経済の動向はFRBが握っています。

米国株に投資をする投資家にとってFRBの動向を知ることは、経済動向を予測して資産運用する上で欠かせない情報源です。

現在の世界経済がどの方向に進もうとしているのか、それはFRBや米国経済の情報からある程度の近未来が見えてくるのです。

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