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節税テクニック「セルフメディケーション税制」を知っていますか?

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、まだまだ外出に懸念が残ります。

医療機関は、新型コロナウイルス感染症にかかった人、かかったかもしれない人などさまざまな人で溢れており、体調が悪いからと言って軽率に診察を受けに行くのも難しい状況です。

そこで役立つのが、ドラッグストアなどで購入できる医薬品。

自宅に常備している方も多いと思います。実はこれらの医薬品を購入した方のうち、ある条件を満たせば所得税を節税できるかもしれないってご存知でしたか?

本記事では、そんな医薬品にかかわる税制度「セルフメディケーション税制」について解説します。

医薬品の購入で所得税軽減「セルフメディケーション税制」

セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)とは、OTC医薬品を購入した方のうち一定の条件を満たしている場合に、医療費控除の特例として所得控除を受けることができる制度のことです。

注意点として、平成29年1月1日に始まり、令和3年12月31日に終了する予定となっています。

記事執筆時点ではあと2回チャンスがあるので、ぜひ令和2年度分から利用を検討してみてください。

ちなみにOTC医薬品とは、病院での診察や処方箋がなくても、ドラッグストアなどで購入できる医薬品のことをいいます。

いわゆる「要指導医薬品」や「一般用医薬品」を指します。

みなさんも少し体調不良を感じたときや頭痛、生理痛などが気になるときに、ドラッグストアに行って風邪薬や鎮痛剤を購入した経験があるかと思いますが、これらがOTC医薬品です。

OTC医薬品を購入した方のうち、一定の条件を満たした場合にセルフメディケーション税制において所得控除を受けることができるのですが、その条件は以下のとおりです。

  • 所得税・住民税を納めている
  • 購入したのがOTC医薬品のうちセルフメディケーション税制対象品目(以下:セルフメディケーション対象品)であること
  • 購入時のレシートを保管してあること
  • セルフメディケーション対象品の購入額が、世帯合計で年間1万2,000円以上であること
  • 対象年に予防接種や健康診断など健康のための「一定の取組」をし、領収書や結果通知表を保管してあること
  • 医療費控除を受けていないこと

購入時のレシートについては、紛失した場合店舗によっては再発行をしてもらえることもあるので、購入した店舗に相談するようにしましょう。

また、セルフメディケーション税制はあくまでも、自分で健康管理をしっかりすることを心がけながら、ちょっとした体調不良を感じた場合はOTC医薬品を自発的に購入してセルフメディケーションに努めることを国が推進するものです。

というのも、WHO(世界保健機関)はセルフケアについて「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義しています。

なので、セルフメディケーション対象品を年間1万2,000円以上購入していればだれでも所得控除を受けることができるというわけではなく、上記で示したように予防接種や健康診断といった健康のための「一定の取組」をおこなったかどうかが条件の1つになっています。

また、セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であるため、医療費控除と併用することはできません。

もし両方の所得控除を受ける資格がある場合は、所得控除額が大きくなる方を選べばOKです。

セルフメディケーション対象品の判別方法

セルフメディケーション税制の対象となるには、ドラッグストアで販売されているOTC医薬品のなかのセルフメディケーション対象品を購入する必要があります。

実はセルフメディケーション対象品のパッケージの大半には、対象品であることを示す「共通識別マーク」が表示されています。

出典:日本一般用医薬品連合会

とはいえマークの表示が義務付けられているわけではないので、マークがなくてもセルフメディケーション対象品に含まれていることもあるようです。

ですが、セルフメディケーション対象品であることを前提にOTC医薬品を選びたいのであれば、このマークが表示されているものを選べば確実なので、覚えておきましょう。

また、普段購入している医薬品がセルフメディケーション対象品なのか、先に知っておきたいという方もいらっしゃると思います。

セルフメディケーション対象品は必要に応じて2カ月に1回更新する予定になっており、現在は令和2年3月31日時点でのセルフメディケーション対象品一覧のPDFが厚生労働省の公式ホームページに掲載されています。

とても数が多いのでここですべて列挙することはできませんが、比較的知名度の高いセルフメディケーション対象品を以下に示しておきます。

一覧を見たい方は、こちらからご覧ください。

  • ロキソニン(解熱鎮痛薬)
  • アクチビア軟膏(口唇ヘルペス再発治療薬)
  • ムヒHD(湿疹治療薬)
  • リビメックスコーワ(湿疹・皮膚炎治療薬)
  • バファリン(解熱鎮痛薬)
  • ガスター10(胃腸薬)
  • ルルアタックIBエース(総合かぜ薬) など

上記でも触れましたが、これらのセルフメディケーション対象品を購入した際のレシートや領収書は、該当年度の確定申告をするときに必要なので、大切に保管しておきましょう。

その際、レシートや領収書に以下の内容が記載されているかを確認しておくことをおすすめします。

  • セルフメディケーション対象品の製品名
  • 金額
  • 製品がセルフメディケーション対象品である旨
  • 販売店名
  • 購入日

“製品がセルフメディケーション対象品である旨”の記載についてですが、ドラッグストアのレシートだと、製品名の前に「★」などのマークを記したり、対象品のみの合計額を分けて記載したりすることで、対象品であることが示されています。

手書きの領収書を受け取る場合も、上記5点をきちんと記載してもらうようにしましょう。

所得税はどのくらい抑えられる?

セルフメディケーション税制の対象になると、所得控除を受けることができます。

“所得控除って何?”、“医薬品を買ったお金は戻ってこないの?”とさまざまな疑問が湧いてくるかと思いますので、説明していきます。

まず、私たちが負担する所得税は、課税所得金額(給料・事業売上・配当などさまざまな収入)に所得税率をかけて算出されるものです。

その所得税率は、課税所得金額が多ければ多いほど高くなる「累進課税」となっています。

セルフメディケーション税制において受けることができる所得控除とは、給与所得や事業所得といったさまざまな所得を足し合わせて課税所得金額を算出する前に、ある金額を差し引くことができるというものです。

つまり、所得控除には課税所得金額を少なくする役割があるため、結果として所得税が少なくなります。

セルフメディケーション税制においては、年間1万2,000円を越えた金額分が所得控除額となり、所得から差し引かれるのです。これが節税のメカニズムになります。

よく勘違いしがちですが、医薬品を買ったお金が戻ってくるわけではありません。

とはいえ、可能な方法をとって節税に取り組むのはとても大切なことです。

ほんの少しの所得控除額だと思うかもしれませんが、塵も積もれば山となります。

まとめ

本記事では、セルフメディケーション税制について解説しました。

令和3年度の確定申告分で終了する予定ですので、知らなかった方はぜひ利用を検討してみてください。

初めは年間で1万2,000円を超えるかわからないという方も、念のためセルフメディケーション対象品を購入したレシートや領収書は意識的に保管してみてください。

確定申告の時期に計算してみると、気付けば1万2,000円に届いている可能性もあります。

今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、免疫力を高めて健康管理に気を遣うことがいかに重要か身に染みたという方もたくさんいらっしゃると思います。

“少し体調が悪いけど、この程度で病院に行くのもなぁ”と思ったときは、セルフメディケーションを意識しましょう。

ドラッグストアでご自身に合った医薬品を購入して、自分で手当てするという姿勢を意識していきましょう。

【参考文献】

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