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【米国株動向】高い目標を掲げ続ける中国最大のハイテク企業アリババの5年後の姿

モトリーフール米国本社、2020625日投稿記事より

アリババ・グループ・ホールディング(阿里巴巴集団)(NYSE:BABA)の株価は、2014年後半に米国上場して以降、140%を超える上昇をしています(執筆時点)。

当時すでに中国では大手ハイテク企業であり、多くの消費者の生活や企業にとって重要な役割を果たしていました。

これは、米国上場直後の2015年度売上高が123億ドルだったことからも分かります。

しかし、2020会計年度(2020年3月期)の売上高は720億ドルに達し、この5年間で480%以上の増加となっています。

同社は、成長株としてはまだまだこれからですが、米国の株主にとっては波乱含みになる可能性があります。

米中の貿易関係は依然不透明であり、世界経済も新型コロナウイルスの影響で依然動揺が続いています。

また、最近、米国上院が外国企業説明責任法を可決しました。

この法律によれば、外国企業が外国政府によって所有または支配されていないことを証明できない場合、および公開会社会計監督委員会(PCAOB)による監査を3年連続で受けない場合には、同企業の株は米国上場を廃止されます。

株主としては、今後の展開が気になるところです。

しかし、事業自体に関しては、同社は好調です。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中国国内の経済活動が停止されたことで、ある程度の逆風はありましたが、eコマースとその関連サービスがかつてないほど重要になり、同社はこのチャンスから利益を得る態勢が整っています。

中国最大のハイテク企業

アリババのeコマースプラットフォームは、中国では圧倒的な存在で、消費者に直接取引できる市場を提供するほか、小売業者に対しサードパーティの卸売サービスを提供しており、国境を越えた取引も可能です。

ただし、同社は単なるeコマース企業ではありません。

同社には、急成長中のクラウドコンピューティング分野もあり、当初は経済活動停止の影響が懸念されたものの、第4四半期(2020年1-3月期)の売上は前年同期比で58%成長し、今や総売上の10%以上を占めています。

さらに、デジタルメディア・エンターテインメント部門や、中国および海外で急速に成長している新興企業を支援または完全買収することを目的とした巨大な投資部門もあります(たとえば、新興フィンテック企業アント・フィナンシャルの3分の1を保有しています)。

中国に拠点を置くほとんどの企業と同様に、同社は多くの批判を受けてきました。

同社の株に投資すれば、同社の成長の恩恵を受けることはできますが、会社の方針を決めるのは経営陣の専権事項です。

同社が昨年末にアントの3分の1の株式を取得したときも、懐疑的な見方がありました。

アントは電子決済プラットフォームのアリペイ(Alipay)の親会社ですが、アリペイはアリババ自体とも密接な関係があり、アリババ創業者であり元会長のジャック・マー氏よって支配されています。

アントは、株式持分と引き換えに、同社の税引き前利益の37.5%をアリババに支払っています。

最終的に、どちらの企業により価値があるのかは、時間が経ってみないと分かりません。

アリババに対しては前述のような政治的な懸念もあるのは言うまでもありません。

同社は、少なくとも部分的には中国政府の支配を受ける可能性があるため、最終的に米国上場が廃止になる可能性があります(ただし、香港にも上場されているため、同市場にアクセスできるブローカー経由で株の売買は可能かもしれません)。

これらの議論はさておき、世界最大のデジタル経済における最大のeコマースプレーヤーを無視するのは容易ではありません。

同社は、2020会計年度を終えるにあたり、同社プラットフォームで購入された商品の総額が初めて1兆ドルを超えたと発表しました。

新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)がピークに達し、「わずか」22%の増収しかなかった第4四半期を含め、年間の売上総額は35%増加しました。

また、昨年のフリーキャッシュフロー(売上からキャッシュによる営業経費および設備投資費用を差し引いたもの)は259億ドル、利益率は35%でした。

5年後のアリババはどうなる?

5年後に株価がどうなっているかを語るのは難しいですが、事業に関してはアリババには勢いがあります。

同社は昨年、世界中で9億6,000万人の消費者にサービスを提供していますが、昨年策定した5カ年計画では、これを2024年までに中国だけで10億人に増やし、同社プラットフォームで10兆人民元(現在は約14億2,000万人民元)の消費を促進する計画です。

また15年後の2036年までに、世界中での利用者数20億人、同社プラットフォームを使用した収益性の高いビジネス数1,000万件に達するのが同社の目標です。

昨年度の決算によれば、中国小売業における同社のシェアは約6分の1ですが、中国市場には引き続き大きなチャンスがあります。

中流階級が成長を続けるなか、2019年の中国国内の小売業販売額は8%増加し、eコマースも大都市ではすでに定着していますが、まだ小売売上全体の約16%にすぎません。

したがって、同社は中国全体の経済発展とeコマースの発展の両方に投資できる銘柄です。

もちろん、5年後および15年後の目標を達成するには、同社は中国市場を超えて拡大を続ける必要があります。

そして、eコマース、クラウドコンピューティング、電子決済における市場シェア争いは熾烈であり、同社と同じように強力で大きな目標を掲げる国際的な競争相手と競合していくことになります。

しかし、同社は十分に態勢を整えています。

投資の継続に使用できる巨大な利益があるほか、2020年度末時点で507億ドルの現金および短期投資を保有しており、これに対し負債はわずか177億ドルでした。

現在は政治経済的な逆風があるものの、この中国最大のハイテク企業は驚くほどのスピードで成長を続けています。

リスクを考えれば多額の投資は慎重にならざるを得ませんが、同社の今後の潜在成長力には無視し難いものがあります。

【米国株動向】ハイテク大手のアリババとフェイスブック、長期投資するならどちらに注目か

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このレポートでは、パンデミック時に生じる需要増の恩恵を受けるだけでなく、長期的な成長性のある優良株に注目してみます。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Nicholas Rossolilloと彼の顧客は、アリババ・グループ・ホールディングス株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アリババ・グループ・ホールディングス株を保有し、推奨しています。
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