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モデルナは、新型コロナウイルスのワクチン開発を契機に伸びる可能性あり

欧米や中国の製薬企業が新型コロナウイルスのワクチンの開発に取り組んでおり、その最前線にいる企業の一つが米国のモデルナ(NASDAQ:MRNA)です。

モデルナは、トランプ政権が進めている爆速ワクチン計画(Operation Warp Speed)からの資金援助を受けています。

モデルナのワクチンRNA-1273は臨床試験のフェーズ2の段階にあり、ポジティブな結果を出しているようです。

最終段階であるフェーズ3へは今年の7月に移行する予定で、順調に手続きが進めばワクチン提供は来年になる見込みです。

これに株式市場は反応して上昇傾向が強まっています。

同社の製薬で特徴的な点はmRNA(メッセンジャーRNA)を利用した点であり、これにより従来の薬やワクチンよりも効果の高いものを作ろうとしています。

mRNAはDNAからタンパク質を合成される過程において非常に重要な因子であり、 mRNA を利用すれば特異性が高いワクチンを作ることができると考えられています。

2018年に上場したばかりの小規模の製薬企業ですが、新型コロナウイルスのワクチンをきっかけにして今後大きく成長する可能性があります。

そこで、今回は最新の決算情報などに基づいてモデルナの分析を行っていきます。

コロナワクチンの臨床試験は今年の夏に最終フェーズへ移行

モデルナは、米国政府の爆速ワクチン計画(Operation Warp Speed)のメンバーであるBARDA(アメリカ生物医学先端研究開発局)から4.8億ドル(約518億円)の研究資金を得ています。

同社のコロナワクチンRNA-1273は、フェーズ1でポジティブなデータが得られたことが報じられ、株式市場はそれに反応して急騰しました。

現在はフェーズ2の臨床試験の段階にあり、多くの患者の協力を得てテストを行っています。

今年の7月にはフェーズ3へ移行する予定です。

テストでポジティブな結果を得られた場合、政府からの認可などの手続きを経て、RNA-1273は来年から提供されることになります。

mRNA(メッセンジャーRNA)を利用したワクチンと治療薬を製造

モデルナは感染症やがん、希少疾患のワクチンと治療薬を製造しています。

同社の特徴的な点はmRNA(メッセンジャーRNA)に着目している点です。

実は一般的に製薬技術は行き詰まってきており、mRNAを利用して薬を作ることができれば、これまでにない新たな製薬の方向性が開拓される可能性があります。

以下に、mRNAに関する基礎的な解説やなぜmRNAなのかということについて解説していきます。

mRNAはタンパク質合成における情報介在物質

まずmRNAに関して基礎的な説明をします。

全てのタンパク質のデザインは、DNAで構成されている遺伝子に書き込まれています。

細胞の中でタンパク質が合成される際は、遺伝子の情報が読み取られますが、その際に介在するのがmRNAです。

まず、遺伝子の情報はmRNAにコピー(転写)されます。

そして、mRNAの情報を元にタンパク質が合成されます。

ある一定の時間が経つとmRNAは分解されますが、その寿命はmRNAのタイプによって異なります。

なぜmRNAなのか

モデルナの基本戦略は、病気の治療やワクチンに必要なタンパク質を人工的に合成するのではなく、mRNAを導入して患者の細胞に必要なタンパク質の合成を作らせるというものです。

昨今の製薬のアイディアは行き詰まってきていると言われていますが、mRNAを利用した製薬テクノロジーはこれまでにない新しいものであり、これまでの製薬テクノロジーが作り出せなかった薬を作り出せることが期待されています。

mRNA自身はそれほど安定的なものではないため、mRNAを脂質で構成されている微小カプセルに充填し、これにより特定の細胞群へmRNAを送って、それらの細胞はそのmRNAを取り込みます。

結果として、治療やワクチンに必要なタンパク質がその細胞内で合成されます。

細胞の種類によってmRNAの送り方は異なりますが、基本的には脂質でできた微小カプセルを利用するようです。

mRNAを人工合成する際には疾患に応じて配列を変えるため、このmRNAの実験のデザインは簡単ではなさそうです。

ちなみに、RNA-1273は新型コロナウイルスのスパイク状になっているタンパク質をコードしています。

モデルナの業績

モデルナはまだ薬の販売実績がなく、収入は米国政府やメルク、アストラゼネカからの投資に頼っています。

そこで、ここではモデルナが取り組んでいる疾患領域についてご紹介していきます。

ちなみに同社の9−10個のワクチンもしくは治療薬が、臨床試験の段階にあります。

感染症

新型コロナウイルスのワクチンRNA-1273だけでなく、インフルエンザや呼吸器合胞体ウイルスに対するワクチンを製造しています。

免疫-がん

ヒトの免疫システムを利用して、がん細胞を特定し殺します。膵臓がんなどに対するがんワクチンを製造しています。

希少疾患

メチルマロン酸血やプロピオン酸血症などの希少疾患のワクチンと治療薬を製造しています。

今後の見通し

モデルナのmRNAワクチンあるいは治療薬はまだ実用化されていません。

しかし、新型コロナウイルスのワクチンRNA-1273を皮切りに、mRNA治療薬の実現性が実証され、製薬の新たな道が切り開かれるかもしれません。

そうすれば、投資額は増えると同時に企業として大きく成長していく可能性が高いでしょう。

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免責事項と開示事項 記事の作者、小田茂和は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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