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メジャーSQにおける現物指数と先物指数の逆ザヤとは

先月、日本市場では6月12日にメジャーSQを迎えました。

特にメジャーSQ後は現物指数と先物指数の価格の逆転が起きるなど、株価予想として先物指数を見ている方にはいろいろと疑問に思うことがあるかもしれません。

今回はメジャーSQにおける現物指数と先物指数の逆ザヤについてご紹介します。

メジャーSQとは

SQとは、Special Quotationの略で特別精算指数を指します。

続いて、特別精算指数とは日経225先物、TOPIX先物などの株価指数先物取引や株価指数のオプション取引など決済期日で決済するための指数のことです。

各限月の第2金曜日にSQ算出日(SQ日)が存在し、SQ日寄り付きの指数の値がSQ値となります。

特に3・6・9・12月では「メジャーSQ」と呼ばれ、先物とオプション取引の決済が同時に行われ、取引量が増加する傾向にあることから現物指数が大いに影響を受けるともよく言われます。

これは上記でも述べたように、先物指数取引が3月限、6月限、9月限、12月限と4回の限月が存在することに由来します。

ちなみに一ヶ月ごとに行われるSQ日をマイナーSQと呼びます。

SQ日では先物、オプションを保有している場合は決済しなければならないため、売り買いに対して需給動向が活発になります。

このため、メジャーSQ日は特に出来高が膨らむことになります。

通常は先物価格のほうが高く設定されているが…

通常では先物価格は現物価格よりも高く設定されています。

これは先物価格に調達コストや金利が含まれているためです。

厳密には、現在、調達コストに使われる金利分は非常に低く設定されているため、ほとんど先物価格には影響を与えていません。

では、反対に先物価格が現物価格より低い「逆ザヤ」の場合はどんなことが影響していると考えられるでしょうか。

具体的に2020年3月のメジャーSQを例にとってみましょう。

先物価格が3月の第二週金曜日の寄り付き(始値)で18,030円となりました。

一方、現物は18,183円で寄り付きました。

2020年3月メジャーSQ日(3月13日金曜日)

  • 先物…始値18,030円 / 終値16,790円
  • 現物…始値18,183円 / 終値17,431円

このとき、SQ値は18,030円となり、先物取引やオプション取引で決済することになっている投資家はこの価格で決済することになります。

ここで普段は先物価格の方が高くなっているはずでしたが、取引時間中に価格が逆転しました。

これが現物と先物の「逆ザヤ」現象です。※逆ザヤに対して通常の状態を「順ザヤ」と呼びます。

先物価格には調達コストと金利が含まれているということでしたが、現在はほとんど無視できるほどということを上記でご紹介しました。

それでは何が逆ザヤの要因になったかというと、配当相当分が現物価格には含まれているのに対して、先物価格では含まれていないからです。

この配当相当分については、日経平均採用銘柄の予想配当から配当の理論価格が算出されます。

この配当相当分を先物価格から引いたものが、SQ値となるわけです。

ちなみに2020年3月の予想配当落ち分は180円相当と予想されていました。

ちょうどというわけではないですが、SQ値が算出される始値では150円ほど差額が現物価格と先物価格で生じていることが分かります。

では、配当予想に応じてSQ日に先物価格の下落が生じるということはどういうことが予想されるでしょうか。

特に日経平均採用銘柄の期末配当が重なる3月のメジャーSQでは、一年で最も大きく下落することが予想されるのではないでしょうか。

また、3月の次に配当額の大きさが予想されるのは中間配当分の9月期ではないでしょうか。

一方で、4月、5月、10月などマイナーSQでは配当を出す企業は少ないため、SQ日と言えども、あまり先物価格に影響を受けないというのは予想されます。

逆ザヤになった互いの価格は時間と共に価格差を「埋める」ように推移します。

逆ザヤがいつ頃に埋まるか、あるいは逆ザヤが拡がっていくのは予想するのは困難ですが、近い将来の現物価格の一つに目安になることには間違いなさそうです。

本当にメジャーSQ日は相場が荒れるのか

SQにまつわるアノマリー(経験則)として、「メジャーSQは荒れる」「SQには魔物が棲む」ということを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

果たして、本当にメジャーSQ日は相場が荒れるのでしょうか。

直近、2年間のメジャーSQ日を調べてみました。

2020年3月13日に限っては、前日に米国時間で新型コロナウイルス感染症について、トランプ大統領が演説をして失望からブラックマンデー以来の大暴落となったのを引き受けて、日経平均も-6.08%の下落を見せていますが、これはメジャーSQ日と直接関係があったのでしょうか。

他のSQ算出日でほぼほぼ通常通りの振れ幅として捉えても構わない値だと思います。

メジャーSQ日の株価(直近2年間)

日付 終値 始値 前日比%
2020年06月12日 22,305.48 21,786.93 -0.75%
2020年03月13日 17,431.05 16,690.60 -6.08%
2020年12月13日 24,023.10 23,775.73 +2.55%
2019年09月13日 21,988.29 21,820.94 +1.05%
2019年06月14日 21,116.89 20,971.18 +0.40%
2019年03月15日 21,450.85 21,374.85 +0.77%
2018年12月14日 21,374.83 21,353.94 -2.02%
2018年9月14日 23,094.67 23,035.78 +1.20%
2018年6月8日 22,694.50 22799.38 -0.56%

SQ日はたしかに先物・オプションともに需給が絡まり合い、出来高が通常時よりも増すことは確かなことです。

しかし、出来高の増加と価格の乱高下は必ずしも一致するものではありません。

そして、この需給動向を狙って機関投資家の売り買いやHFT(超高速取引)が活発になるのも確かではありますが、やはり価格の乱高下はあまり見られないように思われます。

先物取引やオプション取引をしない個人投資家がSQ日だから、今日は何かあるに違いないと変に触発されるのではなく、今日は限月であって、一つの節目にあるのだなと思ったほうが無難なようです。

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