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【米国株動向】FRB、米銀行に自社株買いの禁止を要請。米国六大銀行の動向について

今回の声明の概要

米連邦準備理事会(FRB)は、6/25に大手銀行を対象としたストレステスト(健全性審査)の結果を公表し、少なくとも7-9月期まで配当支払いを制限し、自社株買いも禁止する方針を示しました。

FRBの声明によって、今回のストレステストは比較的良好な結果であり、銀行業界は今後の長期的な不景気にも耐えられるとの結果が示されましたが、一部の銀行は自己資本の最低水準ギリギリになる可能性があるとしました。

そのことから、FRBは第3四半期である7-9月期の配当支払いに対して上限を設定し、第2四半期の配当支払い額や過去4四半期の純利益の平均を超えない水準とするよう、大手銀行に要請しました。

本記事では、米国六大銀行である、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレーが受ける影響や、FRBによる声明による株価の推移、直近の業績について見ていきます。

JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー

JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(NYSE:JPM)は、アメリカの大手金融持株会社です。

JPモルガン・チェース・バンクはアメリカの23州で銀行業務に従事しています。

今回のストレステストの結果、FRBの想定する経済危機シナリオでの同社の資本水準は2.5ポイント前後の低下となっています。

FRBによる声明発表前後における同社株価の推移について見ていきます。

FRBの声明は6/25の米国市場閉場後に発表されましたので、発表直前である25日の終値は97.87ドルとなっていました。

それに対して26日の始値は95.06ドルとなっており、前日終値から3%下落しています。

その後も同社株価は下落を続け、26日の終値は92.59ドルとなっており、前日終値から5%下落した結果になりました。

続いて同社の直近の業績について見ていきます。2020年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 純売上高…290.69億ドル(前年同期比3%減)
  • 純利益…28.65億ドル(前年同期比69%減)
  • EPS…0.78ドル(前年同期比71%減)

純売上高は3%減、純利益は69%減であり、減収減益となっています。

今回の声明により、第3四半期における配当の上限は、第2四半期における配当支払い額や過去4四半期の純利益平均から算出されるため、純利益の大幅な減少は今後の配当に大きな影響を与える可能性があります。

同社の直近における配当実績は、2020年7月2日権利落ち分の配当金が0.9ドルで配当利回りは3.68%となっています。

過去の実績から見て次の権利落ち分で増配が予想されますが、このまま景気の低迷が続けば、次の配当では据置もしくは減配の可能性もあると言えるでしょう。

バンク・オブ・アメリカ

バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)は、アメリカの大手銀行・金融持株会社です。

全米と世界40か国以上の国々で事業を展開しています。

今回のストレステストの結果、FRBの想定する経済危機シナリオでの同社の資本水準は1.5ポイント前後の低下となっています。

FRBによる声明発表前後における同社株価の推移について見ていきます。

6/25における同社株式の終値は24.72ドルとなっています。

それに対して26日の始値は24.05ドルとなっており、前日終値から3%ほど下落しています。

その後日中も同社株価は下落し、26日の終値は23.15ドルと6%ほど下落した価格で引けました。

続いて同社の直近の業績について見ていきます。2020年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 総売上高…228億ドル(前年同期比1%減)
  • 純利益…40億ドル(前年同期比45%減)
  • EPS…0.40ドル(前年同期比43%減)

総売上高は1%減、純利益は45%減となっており、減収減益となっています。

純利益の減少率は50%未満であり、来期における配当金への影響はさきほど紹介したJPモルガン・チェースよりも小さいと言えるでしょう。

直近の配当実績は、2020/6/4権利落ち分は配当金が0.18ドル、配当利回りは2.91%となっています。

過去の実績から見て次の配当が増配のタイミングですが、今回の声明により、据置もしくは減配となる可能性はあると言えるでしょう。

シティグループ

シティグループ(NYSE:C)は、個人・法人向けに世界160か国以上で金融サービス事業を展開するアメリカの大手銀行持株会社です。

今回のストレステストの結果、FRBの想定する経済危機シナリオでの同社の資本水準は1.5ポイント前後の低下となっています。

FRBによる声明発表前後における同社株価の推移について見ていきます。

6/25における同社株式の終値は52.70ドルとなっています。

それに対して26日の始値は52.34ドルとなっており、前日終値から1%ほど下落しています。

その後日中も同社株価は下落し、26日の終値は49.58ドルと6%ほど下落した価格で引けました。

続いて同社の直近の業績について見ていきます。2020年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 総売上高…207.31億ドル(前年同期比12%増)
  • 純利益…25.22億ドル(前年同期比46%減)
  • EPS…1.05ドル(前年同期比44%減)

総売上高は12%増、純利益は46%減となっており、増収減益となっています。

純利益は46%の減少となっており、大手銀行の中では比較的低い減少率となっています。

直近の配当実績は2020/5/1権利落ち分は配当金が0.51ドル、配当利回りは3.87%となっています。

過去の実績から見て次の配当が増配のタイミングですが、今回の声明により、据置もしくは減配となる可能性はあると言えるでしょう。

ウェルズ・ファーゴ

ウェルズ・ファーゴ(NYSE:WFC)は、アメリカの大手銀行持株会社です。

今回のストレステストの結果、FRBの想定する経済危機シナリオでの同社の資本水準は2.1ポイント前後の低下となっています。

FRBによる声明発表前後における同社株価の推移について見ていきます。

6/25における同社株式の終値は27.36ドルとなっています。

それに対して26日の始値は26.10ドルとなっており、前日終値から5%ほど下落しています。

その後日中も同社株価は下落し、26日の終値は25.34ドルと7%ほど下落した価格で引けました。

続いて同社の直近の業績について見ていきます。2020年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 総売上高…177.17億ドル(前年同期比18%減)
  • 純利益…6.53億ドル(前年同期比89%減)
  • EPS…0.01ドル(前年同期比92%減)

総売上高は18%減、純利益は89%減となっており、大幅な減収減益となっています。

大手銀行の中でも最も純利益の減少幅が大きい部類となっています。

直近の配当実績は2020/5/7配当権利落ち分は配当金が0.51ドル、配当利回りは7.45%となっています。

最近の配当利回りは4%前後でしたので、配当利回りが大幅に上振れていることがわかります。

今回紹介する銀行の中では最も今回の声明の影響を受ける可能性があり、次の配当では減配となる可能性が高いと言えます。

その影響もあってか同社株価の下落幅は大きく、多く売られていることが分かります。

ゴールドマン・サックス・グループ

ゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)は、アメリカの大手投資銀行であり、企業、金融機関、政府機関、個人に対し投資銀行、証券、資産運用事業を米国外で展開しています。

今回のストレステストの結果、FRBの想定する経済危機シナリオでの同社の資本水準は6.4ポイント前後の低下となっています。

同社事業の性質上、資本市場への事業依存度が高いため、他行よりも悪い審査結果となることが見込まれていました。

FRBによる声明発表前後における同社株価の推移について見ていきます。

6/25における同社株式の終値は207.00ドルとなっています。

それに対して26日の始値は199.00ドルとなっており、前日終値から4%ほど下落しています。

その後日中も同社株価は下落し、26日の終値は189.19ドルと9%ほど下落した価格で引けました。

続いて同社の直近の業績について見ていきます。2020年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 総売上高…87.43億ドル(前年同期比1%減)
  • 純利益…12.13億ドル(前年同期比46%減)
  • EPS…3.11ドル(前年同期比46%減)

総売上高は1%減、純利益は46%減であり、減収減益となっています。

直近の配当実績は2020/5/29権利落ち分は配当金が1.25ドル、配当利回りは2.41%となっています。

過去の実績から見て次の配当が増配のタイミングですが、今回の声明により、据置もしくは減配となる可能性はあると言えるでしょう。

モルガン・スタンレー

モルガン・スタンレー(NYSE:MS)は、アメリカの金融持株会社であり、米国内外で事業を展開しています。

今回のストレステストの結果、FRBの想定する経済危機シナリオでの同社の資本水準は5.5ポイント前後の低下となっています。

同社事業の性質上、資本市場への事業依存度が高いため、他行よりも悪い審査結果となることが見込まれていました。

FRBによる声明発表前後における同社株価の推移について見ていきます。

6/25における同社株式の終値は48.79ドルとなっています。

それに対して26日の始値は48.29ドルとなっており、前日終値から1%ほど下落しています。

その後日中も同社株価は下落し、26日の終値は47.05ドルと4%ほど下落した価格で引けました。

続いて同社の直近の業績について見ていきます。2020年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 純売上高…94.87億ドル(前年同期比8%減)
  • 純利益…16.98億ドル(前年同期比30%減)
  • EPS… 0.99ドル(前年同期比26%減)

純売上高は8%減、純利益は30%減であり、減収減益となっています。

今回紹介した銀行の中では純利益の減少幅は最も小さくなっています。

直近の配当実績は2020/4/29権利落ち分は配当金が0.35ドル、配当利回りは2.87%となっています。

過去の実績から見て次の配当が増配のタイミングですが、今回の声明により、据置もしくは減配となる可能性はあると言えるでしょう。

今回のまとめ

今回はFRBが発表した声明の概要とそれに伴う影響、特に米国六大銀行への影響についてまとめました。

ウェルズ・ファーゴ以外の銀行は次期配当における減配の可能性は低いですが、ウェルズ・ファーゴは純利益が大幅に減少し、直近の配当利回りも大きく上振れていることから減配の可能性が現実的なレベルとなっています。

銀行銘柄は配当利回りも高く、またバフェット銘柄も多いことからストックマーケットおよび投資家に与える影響は非常に大きいと言えるでしょう。

今回FRBが発表した声明では、第3四半期における配当の上限および自社株買いの制限にとどまっていましたが、このまま景気低迷が続き、銀行の資本水準の悪化がとどまらなければこの制限要請が続いていく可能性があります。

銀行銘柄は短期的には注意しなければならない銘柄であることは確実ですが、今後の経済動向によっては、長期的にも注意しなければならない銘柄であると言えるでしょう。

バフェット銘柄も多く存在していることもあり、バフェット氏を信頼し、参考にしている投資家の方は非常に要注意です。

今後の動向については注視していきましょう。

参考元:

Dodd-Frank Act Stress Test 2020: Supervisory Stress Test Results

JPMORGAN CHASE REPORTS FIRST-QUARTER 2020

Bank of America Reports Quarterly Earnings

FIRST QUARTER 2020 RESULTS AND KEY METRICS – Citi Group

Wells Fargo Reports First Quarter 2020

Goldman Sachs Reports First Quarter Earnings

Morgan Stanley First Quarter 2020 Earnings Results

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