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ナイキの最新決算情報と今後の株価の推移

ナイキ(NYSE:NKE)はアメリカに本社を置き、スポーツ関連商品を扱う世界的企業です。

ランニング、バスケットボール、サッカーなど各種スポーツ向けフットウエア、スポーツウエア、スポーツ関連製品を展開しています。

同社の商品は9つのキーカテゴリーに分類されており、そのカテゴリーは「ランニング」「NIKEバスケットボール」「The Jordan Brand」「サッカー」「メンズトレーニング」「ウィメンズトレーニング」「アクションスポーツ」「スポーツウエア」「ゴルフ」です。

また「コール・ハーン」「チャック・テイラー」「コンバース」「ハーレー」「アンブロ」のブランド名でフットウエア、カジュアルウエア、スポーツウエアを展開しています。

今回はナイキの2020年第4四半期決算及び通年決算の情報と、今後の株価の推移について見ていきます。

また同社はNYダウ工業株30種平均およびS&P500の構成銘柄の一つとなっています。6/26時点での時価総額は1162億ドルです。

決算発表前におけるナイキの株価等のデータ

ナイキの2020年第4四半期決算及び通年決算は、2020/6/25のアメリカ市場閉場後に発表されました。

発表直前の同社株価の推移について見ていきます。

25日の始値は99.23ドルとなっており、その後日中は決算発表に向けて緩やかに上昇していき、25日の終値は101.31ドルと始値から2%ほど上昇した価格で引けました。

続いて同社株価の今までの値動きについて概観していきます。

上場以来、同社株価は上昇を続けていましたが、2015年~2017年頃にかけて一時的に下落しました。

その後2018年頃から再び上昇し、コロナショック直前には105ドル前後の高値を記録しました。

コロナショックの影響により同社株価は一時60ドル前後まで下落しましたが、その後回復し、コロナショック以前の水準まで回帰したと言えるでしょう。

NYダウ工業株30種平均の構成銘柄らしく、コロナショック後においても堅調な推移をしています。

ナイキの決算情報

決算の概要

ナイキが2020/6/25に発表した、2020年第4四半期決算及び通年決算の概要は以下の通りです。

【第4四半期決算】

  • 売上高…63.13億ドル(前年同期比38%減)
  • 粗利益…23.53億ドル(前年同期比49%減)
  • 純利益(純損失)…▲7.90億ドル(前年同期比180%減)
  • 希薄化後一株当たりの純利益(純損失)…▲0.51ドル(前年同期比182%減)

第4四半期決算においては売上高38%減、純利益は180%で赤字転落と大幅な減収減益となっています。

続いて2020年通期決算(2019年6月―2020年5月)について見ていきます。

【2020年通期決算】

  • 売上高…374.03億ドル(前年同期比4%減)
  • 粗利益…162.41億ドル(前年同期比7%減)
  • 純利益…25.39億ドル(前年同期比37%減)
  • 希薄化後一株当たりの純利益…1.60ドル(前年同期比36%減)

売上高は4%減、純利益は37%減と減収減益となっています。

第4四半期決算における大幅な業績悪化が、通年決算にも大きな影響を及ぼしていることが読み取れます。

これらの決算に対して同社は「新型コロナウイルス感染症により北アメリカ地域、EMEA、APLAにおけるナイキ直営店およびパートナー店の多くが一時的な閉店を行ったことが、業績に大きな影響を与えた。」と述べています。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる店舗閉鎖の影響を大きく受けたことが分かりました。

一方でオンラインストアでの売上は75%の増加、為替の影響を除くと80%近くまで増加しており、オンラインストアの認知度・売上高は増加したと言えるでしょう。

決算の詳細

続いて、同社決算をより詳細に見ていきます。まず地域別の売上高についてです。

【第4四半期決算】

北アメリカ地域

  • フットウエア…16.06億ドル(前年同期比41%減)
  • アパレル…5.63億ドル(前年同期比56%減)
  • スポーツ関連製品…0.61億ドル(前年同期比60%減)
  • 合計…22.30億ドル(前年同期比46%減)

EMEA

  • フットウエア…8.87億ドル(前年同期比46%減)
  • アパレル…3.98億ドル(前年同期比44%減)
  • スポーツ関連製品…0.43億ドル(前年同期比57%減)
  • 合計…13.28億ドル(前年同期比46%減)

中華圏

  • フットウエア…11.49億ドル(前年同期比2%減)
  • アパレル…4.68億ドル(前年同期比5%減)
  • スポーツ関連製品…0.30億ドル(前年同期比17%減)
  • 合計…16.47億ドル(前年同期比3%減)

APLA

  • フットウエア…5.59億ドル(前年同期比41%減)
  • アパレル…2.11億ドル(前年同期比42%減)
  • スポーツ関連製品…0.31億ドル(前年同期比51%減)
  • 合計…8.01億ドル(前年同期比42%減)

中華圏以外の地域では、おおむね40~50%ほどの売上高の減少となっており、新型コロナウイルス感染症がいち早く収束し始めた中華圏における売上高への影響はほかの地域よりも少なく、数パーセントの減少にとどまっています。

続いて通年での業績について見ていきます。

【通年決算】

北アメリカ地域

  • フットウエア…93.29億ドル(前年比7%減)
  • アパレル…46.39億ドル(前年比12%減)
  • スポーツ関連製品…5.16億ドル(前年比14%減)
  • 合計…159.02億ドル(前年比9%減)

EMEA

  • フットウエア…62.93億ドル(前年比3%減)
  • アパレル…30.87億ドル(前年比2%減)
  • スポーツ関連製品…4.32億ドル(前年比3%減)
  • 合計…98.12億ドル(前年比1%減)

中華圏

  • フットウエア…42.62億ドル(前年比12%増)
  • アパレル…18.08億ドル(前年比8%増)
  • スポーツ関連製品…1.38億ドル(前年比11%増)
  • 合計…62.08億ドル(前年比11%増)

APLA

  • フットウエア…36.22億ドル(前年から増減なし)
  • アパレル…13.95億ドル(前年比3%増)
  • スポーツ関連製品…2.37億ドル(前年比4%減)
  • 合計…52.54億ドル(前年比1%増)

2020年第1四半期から第3四半期まではそれぞれ売上高は前年同期から5%増、10%増、7%増となっていましたので、第4四半期における業績悪化が通年業績の悪化をもたらしていることがわかります。

このような状況にも拘わらず、中華圏における売上高は、通年ベースですと前年から増加しており、好調な業績であることが分かります。

最後ににナイキブランドにおけるカテゴリー別の業績について見ていきます。

【通年決算】

  • ランニング…38.30億ドル(前年比12%減)
  • NIKEバスケットボール…15.08億ドル(前年比4%減)
  • Jordan Brand…36.09億ドル(前年比16%増)
  • サッカー…15.75億ドル(前年比14%減)
  • トレーニング…26.88億ドル(前年比13%減)
  • スポーツウエア…122.85億ドル(前年比1%増)
  • その他…51.13億ドル(前年比10%減)

Jordan Brandおよびスポーツウエアの売上は増加していますが、ほかのカテゴリーにおける売上高は減少しています。

決算発表後におけるナイキの株価の推移

決算発表翌日である2020/6/26におけるナイキ株価の始値は98.38ドルとなっており、前日終値から3%下落していました。

その後日中も同社株価は下落を続け、26日の終値は93.67ドルと、前日終値から8%ほど下落した価格で引けました。

第4四半期決算が赤字になっただけでなく、市場予想を大幅に下回ったことにより同社株価は大幅に下落しました。

今後の同社株価の推移ですが、短期的に見るとやや厳しい推移となるのではないでしょうか。

同社のビジネスモデルとして、広告やPR等の需要創出に対して惜しみなく経費を使い、ユーザーの需要を意図的に作り出していることが挙げられます。

コロナショックにより、需要創出関連経費はやや減少しているものの、ブランドの認知度を維持していくためにもこの経費をあまり減らすことはできないでしょう。

売上高の低下により宣伝広告経費を低下させることは、さらなる売上高の減少につながる恐れがあります。

コロナパンデミックがある程度収まり、経済活動が完全に回復していくまでは、同社業績の大幅な好転は見込みにくく、同社株価に関しても下落もしくは横ばいでの推移となっていくと考えることができるのではないでしょうか。

参考元:NIKE, INC. REPORTS FISCAL 2020 FOURTH QUARTER AND FULL YEAR RESULTS

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