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明日はよくなるという経営者の言葉を信頼すべきか

出典:Getty Images

企業が株式市場が期待する数字を達成できないことはしばしばあります。不景気に打ちのめされた企業、さらには、経営の規律が守れない企業もあります。

企業が衰退する理由は様々ですが、多くの企業はこう言います。

「上半期の業績は計画未達ですが、下半期は大幅改善します」

「今期は一過性要因で減益ですが、来期は大丈夫です」

しかし、景気が急激に持ち直さない限り、下半期や来期の業績が、一斉に大幅な回復を見せることはないでしょう。

では、株主は何をすれば良いのでしょうか。

  • 経営陣に説明を求め、妥当か否かをチェックする。

経営陣には説明責任があります。たとえば、航空会社が業績を下方修正したのは、ローコストキャリアの新規参入により航空運賃が下落し、業績予想の下方修正に迫られた、というようなことです。

航空運賃の安さが低収益の原因だとするならば、投資家は航空運賃が回復していくかを確認すべきでしょう。ある程度ルートの決まっているリージョナルキャリアであれば、そのルートが航空運賃をウェブサイトでチェックすることもできます。

  • 経営陣が有言実行のタイプか見極める。

経営陣の主張は、経営戦略と実施に裏付けられたものか、それともただの願望か、この問いに答えるのは簡単ではありません。しかし、しばらくその企業を追いかけていれば、取締役が株主に対して正直か、隠し事をしていないかが分かるようになります。

多くの有名な投資家は、経営陣の主張を真に受けず、有言実行しているかどうかに注目しています。有言実行ができていない時はその理由を考えましょう。経営陣の予測が間違っていたか、予期できない事態が起こったか、経営陣が株主に対して正直ではなかったか、のいずれかになります。

またこれまでに有言実行できたかだけでなく、今後の企業の予測についても、その根拠を吟味する必要があります。

  • 業績下振れの株価への影響を想定する。

経営陣の業績修正の下方修正はしばしば株価に影響を与えます。特に、株価収益率(PER)が高い銘柄や、負債の割合が多い銘柄は、業績下方修正のインパクトが大きいといっていいでしょう。たとえば一株当たりの利益(EPS)が1割下方修正され、増益率が30%から20%に低下したとすると、30倍のPERが20倍に落ちることがあります(PEGを1と仮定)。結果株価は4割ほど下落するわけです。

それに対し、配当利回りが既に4%と高い銘柄は、純利益の下方修正の幅が1割くらいであれば、配当が維持されることが多く、配当利回りが株価の下支えとなり、あまり変わらないかもしれません。もちろん、これだけ配当利回りが高いということは、あまり成長する余地がないと考えられている結果で、キャピタルゲインの確率も前者のPER30倍の企業より小さいと考えた方がいいでしょう。

いずれにせよ、経営者の主張や計画が外れた時の株価へのインパクトは考えておいた方がいいでしょう。

まとめ

ここまで見てきたように、現在の業績はだめだけど、もう少し待ってもらえれば回復すると主張する経営者の言葉を鵜呑みにできるほど単純ではありません。その主張がこれまで実行されてきたのか、これから実行されそうなのか、裏付けをとる必要があります。それでも予測が外れることがあるので、投資家は、その時の潜在的な株価の下ぶれも一つのシナリオとして想定すべきなのです。

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